世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


10月 28, 2014

スーパーコンピューティングが洗練された中国の都市を築く

HPCwire Japan

Tiffany Trader

いくつかの世界最速のスーパーコンピュータの故郷である中国は、民衆にとって重要な課題を解決するためにコンピューティングの力を使おうとしている。先日、中国の研究者が中国のTianhe-1Aシステムを新しい「スマートシティ」の建設に向けて利用する計画を明らかにした。

都市計画の課題に学際的なアプローチをとると、スマートシティはリソースとサービスをインテリジェントに利用することに重点をおくことにより、結果として改善されたサービスの提供とより良い生活の質をもたらすのだ。スマートシティは多くの場合、経済的、社会的もしくは環境的課題を解決するために情報通信技術を利用することができる能力によって定義されている。

「Tianhe-1Aは、都市内のビルの計画、設計、建設および資産管理をデジタル化することができます。」と、天津国立スーパーコンピュータセンターのアプリケーション部門長であるMeng XiangfeiはChina Dailyに語っている

中国の新聞記事では、洗練されたデザインソフトウェアが異なる材料のコストと利点をモデル化することにより、都市計画のプロセスを最適化できると説明している。Mengによると、この種のビッグデータのモデル化で地下鉄建設のコストを10から20パーセント程度削減できるという。すでにこのスーパーコンピュータは地下建設プロジェクトに使われていると、この研究者は付け加えている。

2010年に登場した際には世界最高速のシステムであったTianhe-1Aは現在、TOP500の14位である。2.56ペタフロップスのLINPACK性能と4.7ペタフロップスのピーク性能を持っている。このスーパーコンピュータは14,336個のXeon X5670プロセッサと7,168個のNVIDIA Tesla M2050 GPUを搭載している。追加でSPARCベースのプロセッサであるFeiTeng 1000がシステムに2,048個搭載されているが、これらのパワーはLINPACKベンチマークには使用されていない。このシステムの主な技術的成果はArchと呼ばれる中国の研究者等によって開発された独自の高速インターコネクトであり、標準InfiniBandの2倍の速度で動作する。

8千8百万ドル掛かったこのスーパーコンピュータは天津の国立スーパーコンピュータセンターで構築・インストールされている。

中国の中央政府は、国家政策のコアとなるスマートシティ·テクノロジーの策定を行った。政策の一つの目標は、国の深刻な大気汚染問題に取り組むことである。7月に中国政府は「グリーンホライズン」イニシアティブの一環として、IBMと10年間の契約を締結した。この活動では、再生可能エネルギーを高め、エネルギー利用率を向上させるために高度な解析とビッグデータ技術を利用する予定だ。プログラムの科学者達は、北京全体の汚染物質の分散をモデル化するために、ストリート規模でのリアルタイムマップを作成する予定だ。

「このプロジェクトは、どのように汚染が産まれ市内に広がるのか、より深い理解を北京に提供するでしょう。それによって、政府はもっと効果的に対処できるのです。」と、カーネギー清華センターのエネルギーおよび気候プログラムの常駐学者であるTao Wangがベースライン・マガジン語っている