世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


3月 18, 2015

Miraスーパーコンピュータが大強度ビーム科学を推進

HPCwire Japan

Tiffany Trader

CERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)がこの3月に再起動することについて、フェルミ研究所の物理学者のチームは大強度粒子ビームの生成に関するリストとコストを削減するためにエネルギー省のスーパーコンピュータを利用している。

フェルミ研究所の物理学者James Amundsonに率いられたこのチームは、アルゴンヌ・リーダーシップ・コンピューティング施設(ALCF)の協力を得て、フェルミ研究所が開発した加速器シミュレーションソフトウェアであるSynergiaをALCFのMiraスーパーコンピュータで実行するためにポーティングと最適化を行っている。Miraの10万コアを利用するこのハイブリッドPythonコードは、研究者が複雑なアクセラレータ内部の相互作用をシミュレートすることを可能にするのだ。このチームは特に大強度、低エネルギーマシンの中で加速器の部品が粒子に及ぼす影響を研究する事に関心を持っている。

「もっと粒子が増えると、もっと多くの強度を持つ事となり、その影響はさらに顕著なものになってきます。」とAmundsonは語る。「私達はより高い強度に向かって行きたいと思っていますので、これらの強度依存型の影響を理解することが重要なのですが、もちろん計算することも難しいのです。」

世界最速のひとつである10ペタフロップスのMiraスーパーコンピュータのおかげで、研究者達はビームの動作を危うくする可能性を持つ不安定性の問題を特定したのだ。

この見識はフェルミ研究所とCERNのLHCプログラムの実験の強度を増大させる次の段階のために重要な意味を持っている。これはまた、長基線ニュートリノ施設のためのニュートリノ・ビームを作る使命を帯びているフェルミ研究所プロトン改善計画IIと呼ばれる将来の大強度ビーム・プロジェクトに関連している。