世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


4月 3, 2015

インド、7億3千万ドルのスーパーコンピューティング・グリッドを始動

HPCwire Japan

Tiffany Trader

インド政府は世界クラスの計算能力における国家の位置付けを回復するために、7.3億ドル相当の7年間のスーパーコンピューティング・プログラムを承認した。

10月に最初に明らかとなった国家スーパーコンピューティング・ミッションの主要な任務は、アカデミックや研究開発機関および選択せれた部署や省庁を接続する巨大なスーパーコンピューティング・グリッドの構築である。国家スーパーコンピューティング・グリッドは、高速ネットワーク、国家知識ネットワーク(NKN)で接続された70以上の地理的に分散したハイパフォーマンス・コンピューティング・センターで構成されている。

インドの内閣経済問題委員会による公式プレス声明によると、このミッションはキャパシティーとケーパビリティーの両方のマシンを含んでいる。最初の業務はインドのスーパーコンピューティングのランクを、現在の国の最速よりも約40倍速い、3ペタフロップスのスーパーコンピュータに上げることだ、と早期の報告書は述べている。

2007年にスーパーコンピュータ(「Eka」)が世界第4位のタイトルを取って以来、インドはスーパーコンピューティングへの投資を継続しなかったのだ。インド熱帯気象研究所に設置された現在のトップシステムである719テラフロップスのIBM/Lenovo iDataPlexは2013年にTOP500に登場してから、36位から71位に落ちてしまっている。全国で2番目に速い388テラフロップスのPARAM Yuva IIは同じ期間で69位から131位に行ってしまった。

科学技術省の長官であるK VijayRaghavanによると、全国初のペタスケールシステムは、「インドのハイパフォーマンス・コンピューティングを数倍向上させるだろう。」この大規模なサイバーインフラは、グランドチャレンジの問題、高度な研究開発、そしてインド国産技術を含む国家関連のアプリケーションを支援するだろう。

「このミッションの実行で、国の大きな科学技術コミュニティの手の届くところにスーパーコンピューティングをもたらすことができるのです。」と内閣経済問題委員会は述べている。「現在、世界のトップのスーパーコンピューティング・マシンにおいては、主なシェアは米国、日本、中国および欧州(EU)等の先進国が持っています。このミッションではそのような国々の選ばれたリーグの中にインドが入ることを想定しています。スーパーコンピューティングにおけるリードを維持する上での継続性を提供するために、このミッションには高度な研究開発が含まれています。これは最先端の次世代スーパーコンピューティングを構築するために必要な専門知識を作ることになるのだ。このミッションは、「デジタル・インド」や「インドで作る」イニシアティブの政府のビジョンをサポートすることとなる。

このプログラムは、科学技術省と電子情報技術省が共同で運営され、インドの2つの主要な科学機関によって実行されるのだ:それは高度コンピューティング開発センター(C-DAC)とインド科学技術大学(IISc)バンガロール校である。