シドニー大学、初のHPCサービスがビッグサイエンス問題に取り組む
Tiffany Trader

アルテミスと呼ばれるデルのクラスタが、オーストラリアや世界にとって重要な問題を解くために進行中だ。シドニー大学が就役させた、この新クラスタは大学の発のハイパフォーマンス・コンピュータ(HPC)サービスだ。
どこの研究機関とも同様に、シドニー大学は増大するデータ中心のワークフローに対応するように求めている。この新HPCサービスは、デル・オーストラリアとのパートナーシップで確立されており、広い分野の研究用のビッグデータにアクセスし易いようにカスタム設計されている。
「アルテミスは多様な領域の研究者が最先端の計算解析を行い、一貫性のあるアクセス・メカニズムを使ったツールや機能の共通するセットを提供することで、研究者グループ間の共同研究を改善することができるようにします。」と、NHMRCオーストラリアのフェローでチャールズパーキンスセンターのEdward Holmes教授が語っている。
アルテミスはシドニー大学の研究者に無料で利用できるようになり、分子生物学、経済学、機械工学、および海洋物理学などの多くの科学ドメインを支援することになる。
1,512コアのデル・クラスタの主な利用事例のひとつは、エボラウィルスのような感染症の秘密を解くことだ。Holmes教授は西アフリアのエボラの拡散を追跡するためにDNAデータをサンプリングするチームのメンバーだ。ハイパフォーマンス・コンピュータが数倍のオーダーで処理と解析を向上させることができ、Holmes博士によれば、以前はエボラの研究者が遡及的研究に制限されていたところを、リアルタイムに流行の追跡をできるようにしたのだ。
リアルタイム機能は、影響する人々を助け、究極的には感染をブロックするために最も必要なリソースを得るのに不可欠な目標とされる緊急対応戦略を容易にする。
アルテミスはデルのデータセンター内部に設置された完全に管理されたサービスで、大学のネットワークに10ギガビットイーサネット以上で接続されている。システムは、56台の標準的な演算ノード、2台の高速DDR4メモリで10テラバイトある大メモリ演算ノード、そして各2基のNVIDIA Tesla K40グラフィックプロセッサを搭載した5台のGPU演算ノードから構成されている。各ノードは2台の12コアIntel Xeon E5-2680 V3を持ち、合計で1,512のHaswellコアがある。標準と大メモリノードはDell PowerEdge R630サーバをベースとし、GPUノードはDell PowerEdge R730をベースとしている。56Gb/sのノンブロッキングFDR InfiniBandファブリックによって全てのノードと高性能Lustreファイルシステムが接続されている。