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8月 22, 2013

EGIクラウド:SLAとサマースクール

HPCwire Japan

Tiffany Trader

クラウドコンピューティングの進化に伴ってユーザの期待も高まっている。ユーザはますます、クラウド・プロバイダーにおける法的拘束力のあるサービスレベル・アグリーメント(SLA)の明確な規定を強く求めている。EGIは、欧州委員会の新たな報告書の中で、クラウドコンピューティング・サービスレベル・アグリーメントと呼ばれるクラウドコンピューティングの重要な側面に関するガイダンスを提供している。

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「クラウド市場の急速な発展は、新たなサービスの出現、サービスプロビジョニングの新方式を先導しており、これらをクラウド・プロバイダーおよびクラウドリソースを活用したサービスエコシステムの両方においてモデル化しています。」と報告書の著者は書いている。

「サービスレベル・アグリーメント(SLA)は、関与する実体の契約期間を定義することによって、前述の関係性を規定します。」と彼らは続けている。 「サービスの質と種類を指示することで見込みを設定するのに加え、SLAもまた、さらに競争優位性を獲得するために重要な差別化要因としてプロバイダは考えています。」

レポートでは、完全なSLAのライフサイクルやクラウド選択産業グループ(SIG)によって実施されたSLAの進行中の施策作業に関する書類についての推奨事項を紹介している。 11項目の主要な推奨事項については、包括的な61ページの文書で目標、提案手順および潜在的貢献を含めた実装の道筋を定めている。

「多くの種類のクラウドが出現していますが、そこにただ一つの特別な「クラウドSLA」は存在していません。」とEGI.euの技術部長、ミヘル・ドレッシヤーは説明する。「例えばEGIでは、IaaS(Infrastructure as a Service)クラウド・プラットフォームを提供しています。これは、小さなコミュニティが立ち上がり活動することを容易にするテンプレートSLAを我々は作成していて、他者がやっていることとは極めて異なっています。」

他のEGIクラウドニュースによれば、EGI.euとメッシーナ大学では2013年の7月22日から26日までアルメレでのクラウド・サマースクールにおいてEGIフェデレーションクラウドのユーザのためにトレーニングを提供した。コースは、チェコ共和国(CESNET)とスペイン(CESGA)にある実際のリソースを使った実地体験を学生に提供した。

以前は、訓練は単純化されたローカルテストクラウドに基づいて行われていたが、これは訓練課題で採用された安全な商用クラウドとして初めてのものであった。 学生は安全な統合クラウド環境で彼らのアプリケーションを実行した。EGI.euは、先々のトレーニング・セッションのためのテンプレートとしてこのモデルを使用する予定である。

EGIのミヘル・ドレッシヤーとメッシーナ大学の教授、マッシモ・ビラリの率先した努力がそこにはあった。現地サポートはウィンチホーム大学とGenias Benelux社によって提供された。

「すべてが簡単に設定できる。これが私たちにとって、クラウド2.0への第一歩です。」とマッシモ・ビラリは報告した。

「EGI.euにとって、これは我々の快適ゾーンから抜け出す非常に良い経験であり、さらに科学者にだけサービスを提供するだけでなく講師にも提供しています。私はまた、いくつかの新鮮なアイデアをもたらした学生との作業から多くのことを学びました。」とミヘル・ドレッシヤーは述べた。

これらのプロジェクト・リーダー達のインタビューは、YouTube上に公開されている。