HPC500第二四半期招集会議を要約
Laura Segervall, Senior Analyst, Intersect360

HPC500は最近、四半期メンバー限定の会議を開催し、そのトピックはプロセッサ・アーキテクチャだった。 このグループは、HPCの方向性を指し示し、科学、工学、ビジネスで挑戦的な問題に取り組むHPC技術を持った業界のリーダーで構成されている。 メンバーは、学術界、政府/企業団体、広範な地域、予算規模、および応用分野に渡って定評のある世界中のHPC専門家の様々なグループを代表している。
会議の殆どの参加者がNvidiaのGPUおよび/またはIntel Xeon Phiの知識または経験を有している。 一般的に、これらの普及はユーザベースでゆっくりと進むものである。共通認識として、たとえ評価のためであってもコードの移植には多くの作業を必要とすることが一般に広く普及することを遅らせているということだ。ある参加者が移植プロセスにPhiでは一人週であるのに対してNvidiaでは一人月かかると予想されていると話したことを受けて、殆どの参加者はPhiへの移植は、NVIDIAのGPUより容易であるように思えると述べた。
Intelの製品出荷が遅々としているものの、参加者は、IntelのPhiのためのコンパイラが急速に発展を遂げていることは非常に良い兆候であると感じていた。一方、PGIやGNUなどの他のツールが将来的にPHIをサポートするか否か、懸念を口にしていた。
多くのメンバーは、Intelのツールを使用したコード移植は高速に行える故、Phiは、CUDAよりも簡単なプログラミングモデルとして将来性があると感じていた。 何人かのメンバーはPhiへのコード移植がいかに成功し簡単であったか、そしてどのくらい印象的だったかを話し合った。しかし、CUDAでは実行するために多くの労力が必要とするが、Phiでも最適化するためには同じくらい微調整が必要であることが示唆された。 彼は、CUDAでは全てか無かである一方、Phiでの処理は徐々に進行状況を確認することができるということが好ましいと述べている。
x86クラスタ、GPU、Power 6/7へアクセスし、GPGPUで多くの経験を持っている参加者の一人は、Intel MICで大成功するために動き出した。現在、MICは彼のワークロード全体の5〜10%を占めているが、増加すると予想している。 彼は、商用および学術ユーザの両方からMICに対し驚異的な関心があると見ている。 別のメンバーは、ISVのサポートに依存するため、自分の組織が別のプロセッサに移行するようには思われず、ここでは短期的にPowerとx86を使用して行くものと感じている。
プログラミング言語やモデルについての議論では、ほとんどのメンバーが標準的なプログラミング環境としてノード・ローカルにはOpenMPを使用し、ノード間ではMPIを使用することを検討していた。
NVIDIAとPhi共通の障壁は、コード移植のための多くの作業が必要なことや、Intelツール以外のコンパイラベンダーによるPhiサポートの欠如、そして不十分なISVのサポートとライセンスモデルがある。 ある参加者は、Windows環境のGPU上で製品開発を行いたいが、NVIDIA社へはアクセス出来たがWindowsで実行できるハードウェアを取得することが出来ていない。
議論した別のプロセッサ・アーキテクチャは、ARMだった。非常に高い並列度のアプリケーションに関して、コードを自社開発しているあるメンバーは、ARMまたはSnapdragonが低消費電力性とコストで面白い選択肢であると考えている。彼は、一度価格が下がれば、ARMベースのボックスは古い2つのクラスタラックを置き換えるのに十分な選択肢であると感じている。 彼のテストでXeonプロセッサよりも遅かったARMの性能は、低消費電力性とコストを考慮すると魅力的だった。 数名の参加者にとって、エネルギーコストが運営予算の大部分であるため、消費電力は購買決定の重要な要因である。
議論の最後のポイントは、AMDの未来だった。 共通認識として、チップ製造業者としてのAMDはHPC市場において自分自身で降りたということだった。 AMDのロードマップは素晴らしく聞こえるが、実行することができていない。メンバーは、AMDがHPCから離れて他の市場セグメントに移動するだろうと感じていた。 AMDは、良い製品を持っているがNVIDIAのソリューション程ではない、メンバーがAMDの利点を見いだす事ができなかった。ARMがHPCの牽引を始めるならば、AMDはまたこの市場に返り咲くことができるかもしれない、と述べた。