PEZY社、HPCwire Awardの2部門で受賞
11月に開催されたSC15の期間中にHPCwireは恒例の読者投票と編集者投票による各部門賞の発表を行った。先日 東京工業大学の松岡聡教授が卓越したリーダーシップ賞を受賞したことを紹介したばかりだ。実はHPCwireの賞にはこれ以外にも多くの部門賞がある。
2015年度HPCwire賞 一覧
- Best Use of HPC Application in Life Science
- Best Use of HPC Application in Manufacturing
- Best Use of HPC Application in Oil and Gas Industry
- Best Use of HPC in Automotive
- Best Use of HPC in Financial Service
- Best Use of HPC in Entertainment
- Best Use of HPC in the Cloud
- Best Use of Highperformance Data Analytics
- Best Application of ‘Green Computing’ in HPC
- Best HPC Server Product or Technology
- Best HPC Storage Product or Technology
- Best HPC Software Product or Technology
- Best HPC Visualization Product or Technology
- Best HPC Interconnect Product or Technology
- Best HPC Cluster Solution or Technology
- Best Data-Intensive System (End User focused)
- Best HPC Collaboration Between Government & Industry
- Best HPC Collaboration Between Academia & Industry
- Top Supercomputing Achievement
- Top 5 New Products or Technologies to Watch
- Top 5 Vendors to Watch
- Workforce Diversity Leadership Award
- Outstanding Leadership inHPC
以上23の賞に各読者投票と編集者投票で選ばれた受賞者がいる。
今年はPEZY Computing社も受賞した。それも「Best Application of ‘Green Computing’ in HPC」と「Top Supercomputing Achievement」の2部門でだ。「Top Supercomputing Achievement」については理研との受賞となった。PEZY社は日本ばかりでなく、世界でも認知されるようになったのだ。
Best Application of ‘Green Computing’ in HPC 編集者投票
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日本の製造パートナーであるPEZY Computing社とExaScal社は2015年6月のGreen500リストにおいてトップ3の座を占めた。
2015年6月のリストにおけるトップ3システムは、ファブレスの日本のスタートアップ企業であるPEZYと液浸冷却企業であるExaScaler社との共同作業の結果だ。3つのすべてのシステムは、TOP500/Green500リストで初の6+ギガフロップス/ワットであることで区別される。新記録を樹立した理研の菖蒲スーパーコンピュータはさらに上を行き、7.03ギガフロップス/ワットを達成している。菖蒲にくっついて高エネルギー加速器研究機構(KEK)の2台のマシンがある。:2位となった6.84ギガフロップス/ワットの睡蓮ブルー、そして3位の6.22ギガフロップス/ワットの睡蓮だ。
すべてがPEZYの第二世代の1,024コアのカスタムMIMDプロセッサとExaScaler社の水没型液体冷却技術を使って構築されている。リードマシンの菖蒲は、Intel Xeon E5-2618L v3 (8 cores / 16 threads, 2.3GHz ~ 3.4GHz)プロセッサ、64GBメモリ、およびInfiniBand FDRを搭載したExaScalerの第二世代の技術を採用している。「PEZY-SC」アクセラレータ・プロセッサは単精度で3テラフロップス、倍精度で1.5テラフロップスの性能を出すと言われている。
Top Supercomputing Achievement 編集者投票
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PEZY Computing社とパートナーのExaScaler社が構築した理研の菖蒲スーパーコンピュータは2015年6月のGreen500リストで首位の座を取り、7ギガフロップス/ワットのマイルストーンを超えた最初のTOP500 エシュロン・システムとなった。
スーパーコンピュータは非常に熱を持ち、冷却のために膨大なエネルギーを必要とする。6月の Green500リストでトップとなった理研の菖蒲スーパーコンピュータは、IntelのHaswell CPU、PEZY-SCの新メニーコア・アクセラレータ、およびエネルギー効率の高いソフトウェア設計を持った、ヘテロな(プロセッサとアクセラレータ)スーパーコンピュータである。菖蒲は7.03ギガフロップス/ワットを達成し、前回の2014年11月のGreen500リストでトップであったシステムよりも33パーセントも向上させている。菖蒲は約2ペタフロップスの速度で動作し、ExaScaler社が開発した計算機を完全に液体に浸ける冷却方法を使用している。開発プロエクトを指揮した理研情報基盤センター(ACCC)の黒川原佳氏は、「2007年にこの賞が設立されて以来、理研が一位を取ったのは初めてのことです。これは、持続可能な未来を作るという私達の研究所のコミットメントを示すことができ、私達にとってとても嬉しいことです。」と述べた。日本の企業が開発したシステムが優勝したのも初めてである。