省エネスパコン・ランキングGreen500で日本が3位に転落
スーパーコンピュータの省エネ効率を競うGreen500が今週スパコンランキングのTOP500と共に発表された。これまでTO500とGreen500は別々に発表されてきたが、今回からTOP500のリストの中に1ワット当たりの実行性能の項目を増やすことで一緒に発表されることになった。

今回1位および2位に搭載されているアクセラレータはNVIDIA社の最新GPGPUであるTesla P100だ。このP100はまだ出荷が開始されたばかりのため、TOP500にはこの2システムしか掲載されておらず、その両方がGreen500の上位をとったこととなる。また、性能の方はついにワット当たりでほぼ10GFLOPSとなった。この技術でそのままエクサフロップスを実現しようとすると、必要な電力は100MWとなりかなり現実的な電力量に近づいているのがわかるだろう。
上位10システムの国別システム数では前回は中国が6システム、日本が2システム、アメリカ1、ドイツ1であったが今年はアメリカ4、日本3、スイス1、中国1、ドイツ1となっている。
P100の登場で前回Green500で1位および2位を独占したZettaScalerは今回は3位に転落した。しかし今回上位に日本のシステムが2システム新たに入っている。東京大学と筑波大学の最先端共同HPC基盤施設の富士通システムであるOakforest-PACSと京都大学のCray XC40システムだ。
今回のGreen500についてZettaScalerを開発している株式会社エクサスケーラーの斎藤元章会長は次のようにコメントしている。「今回は最新のExascaler 1.8システムがものはあったのですが、ソフトウェアが間に合わず締切に間に合わせることができませんでした。間に合っていれば1位は分かりませんが確実に2位よりは上に行けたでしょう。来年6月のGreen500ではExscaler-2.0となるので乞うご期待です。」
順位 | TOP500順位 | システム | 機関 | 国 | GFLOPS/Watt |
1 | 28 | NVIDIA DGX-1 | NVIDIA | アメリカ | 9,462.09 |
2 | 8 | Cray XC50 | スイス国立スーパーコンピューティング・センター | スイス | 7,453.51 |
3 | 116 | ZettaScaler-1.6 | 理研 | 日本 | 6,673.84 |
4 | 1 | Sunway MPP | 無錫国立スーパーコンピューティング・センター | 中国 | 6,051.30 |
5 | 375 | PRIMERGY CX1640 | 富士通ドイツ | ドイツ | 5,806.32 |
6 | 6 | PRIMERGY CX1640 | 最先端共同HPC基盤施設 | 日本 | 4,985.69 |
7 | 18 | Cray XC40 | アルゴンヌ国立研究所 | アメリカ | 4,687.99 |
8 | 162 | Cray CS-Storm | スタンフォード大学 | アメリカ | 4,112.11 |
9 | 33 | Cray XC40 | 京都大学 | 日本 | 4,086.82 |
10 | 397 | KOI Cluster | トーマスジェファーソン国立高速化施設 | アメリカ | 3,836.65 |