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7月 26, 2013

Intel、データセンタービジョンを刷新

HPCwire Japan

Nicole Hemsoth

今週、我々はIntelの「データセンター再設計」イベントに参加し、低消費電力と高性能サーバの両方のルートに沿った同社の将来的な道筋をどのようにイメージしているかを垣間見る機会を得た。

Atomファミリーと今後登場するAvotonとRangeley周りの主な詳細、そして今後数年間でロールアウトすると期待される14nm製品の一般的なロードマップの発表に加えて、重点はハードウェアとソフトウェア間の統合であった。 ソフトウェア定義されたストレージとネットワークから、低電力で強力な性能のコアを打ち込んで一体化させたファブリックの機能までを同社は幾つかのネットの下に戦略的に集約した - そのうちの一つはHPCに特化したものであった。

大型案件の焦点は、Webスケールとエンタープライズ・データセンターにあったが、重要な「知識経済」や、より多くの主流(従来の学術系および政府系市場の向こう)なコンテキストに向けて新たなトレンドを持ってHPCを推進する方法について同社のHPCリーダー、ラジ・ハズラが詳細なプレゼンテーションを行った。

記録されたプレゼンテーションでは、市場のより多くの主流な顧客のために意味されたどのあたりに広範なレベルでのHPC戦略にIntelが立っているか、ハズラの広い視野が反映されていた。 具体的に掘り下げるには、我々が消費電力、性能、新たな異種性、統合、そして企業に対するXeon Phiの将来的なアプローチを含めた彼のキーコンセプトの概略について、より詳細に彼と話をする時間が必要である。

ハズラは、HPCが今後のIntelの大型データセンター戦略のどこに適応するのか、彼の議論の中で「新たな異種性」にIntelが注目している旨のコンセプトを強調した。彼が定義しているように、これは別個の性能(またワット当たりの性能)のためにデザインされているが、おそらくプログラマの側に統一したかのようなハードウェアを活用して、異質性への新たなアプローチを行うことを表している。

ここでのROIは、ユーザが迅速かつ容易にアプリケーションを移植し、そして最適化のはるかに長いプロセスについて取り組むための機能を提供することである、と彼は説明する。 実装の異なるGPUへの移植に長時間要しているユーザの場合、そこにはスピードアップ出来るか否かの危険性が存在している、と彼は言う。

Xeon Phiでは、しかし、移植に係る危険性は小さく、「trying out(お試し)」のアプローチと最適化プロセスは、通常のGPUよりも短くなり、ユーザは、いつも通りのプロセスを行う事で彼らのコードが汎用のXeonプロセッサ向けに最適化されたことに気がつく、と彼は強調する。我々はいくつかの共通なアプリケーション・タイプと彼等のGPUからコ・プロセッサへの最適化時間(移植ではなく、Intelはかなりの節約している)の内訳に関心を持っており、これには他のセンターの中のひとつであるTACCのPhiとGPUのユーザから聞いた事柄が反映されている。

今後数年間、政府や学術サイトの外側にPhiを広めるための現実的なテストは、ISVコミュニティがコ・プロセッサの利用価値を探るようになったときだ。学術系の初期ユーザは、一般的に自分自身でコードを書き、ISVの承認とチューニングの内部プロセスには依存していない。 商用コードの広い分野で潜在的な性能の利点を活用するように条件付けされたら、Xeon Phiの市場は極めて大きくなるだろう、とハズラは見込んでいる。

そして確かに、Intelのロードマップの他の項目と同様に、焦点はニッチ市場ではない – それは、AtomファミリーからPhiまでを辿る開発行程によって得られた超低消費電力アプローチによってサーバ市場のすべてのセグメントを抑えることにある。同社は、今週、すべての市場セグメントへソフトウェア定義型ネットワーキング、ストレージ、そしてより統合された計算機能を持ち込むことにおけるその役割を強調した - そして、HPCも例外ではない。

こちら側のIntelからもたらされる統合価値は、Qlogicおよびクレイから引き入れたインターコネクト資産が負担になってきた時に感じられるだろう。 このトピックでは、ハズラは、Intelが、彼らのプロセッサ上のネットワーク・インターフェース・コントロールを統合する外付け的なネットワークソリューションを持つことに焦点を当てている、と言う。 そこから「我々は、次世代のプログラミング・モデルに取り組むために、性能、低消費電力を改善することができ、かつ機能をそれに追加できるようにすることで、統合されたバージョンあるものに革新します。」と彼は言う。

特にQLogic社の役割の面では、彼は「我々の目標、そして我々はハイエンドHPCからミッドレンジおよびエンタープライズまでの全域をカバーする統合されたファブリックを持つ次世代製品の構築に没頭している。」と指摘する。

想像の通り、Top500と学術側のHPCの特色は、この一般的なデータセンターのイベントの間、大企業の文脈でハイエンドプロセッサ技術を用いる事を支持することで、より弱められた。 しかし、戦略の概略の残りの部分にHPCを絡めたひとつのキートピックは、このコミュニティで開発された技術は一般的なエンタープライズ・アプリケーションとサーバ・アプローチのはるかに広いセットを満足させる事が出来る方法である。 ハズラは、確かにビッグデータは彼のHPCグループを外部へ拡張するための最良の方法であり、解析が進化するように、これらの新しいアルゴリズムを伴ったHPC開発(そして、一般的にはより堅牢なハードウェアの役割)を調和させる必要が新たな機会を開くだろうことに同意した。

ビッグデータと、もちろん、科学と研究応用の範囲は、Intel側、ハズラ側のHPC投資をすべて掻立てている。 HPCが比較的低いマージンであるというAMDの最近の声明とは違って、彼は、Intelの投資が長期的な目標に焦点を当てたものであると強調した。「パラダイムは、我々が計算能力の強化を継続しようとしていることである。メニーコアが進むべき道である。 我々はそれに投資しているが、世界は未だマルチコアにある。 それでも我々はメニーコアしようとしているアプリケーションとアルゴリズムの最前線を見て始めていて、我々は、アプリケーションが未来を築く方法であることに期待し、我々は反発する代わりに、今、動かなければならない。」

同社の上級副社長兼データセンターおよびコネクティド・システム・グループのゼネラルマネージャ、ダイアン・ブライアントは、ストレージ、ネットワーク、およびラックレベルでの緊密な統合を要求とする収束的な力(クラウド、特にビッグデータ)が存在する、と繰り返し強調した。彼女は、特にクラウドデータセンターのための使用率と柔軟性を強化し、クラウドデータセンターや小型デバイスがまだ含まれていない将来のための低消費電力、超高密度サーバの役割を果たす同社のラック・スケール・アーキテクチャ(RSA)を概説した。

ハズラは、HPCも多様化していることに注意しながら、この動きの価値を繰り返した。 彼は、大多数のHPCは、依然として慎重に計画実行された協調設計の元ではさほど疑いを持っていない、システムアーキテクチャの全体の多様化の傾向を表すHPCの特定のセグメントを共有する低エネルギーなスケールアウト(生命科学、アルゴリズム、およびスケールアウト高密度それに合わせてアプリの特徴低電力パターン)。 「これは、カーブの始まりだ。そしてインテルは、反応を示すと同時に反発が無いことを望んでいる。」と彼は言う。

我々は、Open Computeに啓示を受けたデザインとアプローチについて一部イベントで強調していたので、この低電力で高密度な安定した行進が我々の知っているサーバ業界の死を意味するものなのか否か、ハズラに尋ねた。「もしそれが死または再誕だったとしても、私にはわからない」と彼は言い、しかし「オープンプロジェクトは、皆で気持ちをひとつにし、より偉大なことを構築するための足場を提供します。」彼は、サーバ事業の環境の変化に関する質問は不慣れではないと言い、「HPC空間でのある一点において、BeowulfクラスタがHPCを殺すだろうと多数の意見があったが、膨大な量の相違もあった。」

そして、それは単にIntelが彼等の戦略の中へアーキテクトを望んでいるだけで – 基本は、Phiへと続く全ての方法をその超低電力線を跨がって拡張 - そして、チップメーカーが何を伝統的に行うこと(そして行わない)の間のラインが曖昧にされるような区別と価値を創造するためにOEMを分化させる。