HPE、NSAとの20億ドル規模のGreenLake HPC-as-a-Service契約を獲得
Tiffany Trader

HPEは、米国の国家安全保障局(NSA)にHPCおよびAIサービスを提供する20億ドルの大型契約を獲得した。HPEは、現在中止されている100億ドル規模のJEDI契約(JWCCとして再発行)や、AWSが最近獲得した100億ドル規模の「秘密」クラウドコンピューティング契約(コードネーム「WildandStormy」)に続き、米国の最も秘密主義的な情報機関に対して、同社のGreenLakeレーベルを通じて10年間にわたり高度なコンピューティングとデータ分析機能を提供することになった。
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HPEがNSAのために構築しているHPC-as-a-Serviceプラットフォームには、ApolloとProLiantサーバが混在しており、同機関のディープラーニングやデータ分析のワークロードのための大量のインジェストやデータ処理をサポートするように構成されている。このコンピューティングインフラは、GreenLakeサービスの一環として、安全なQTSデータセンターに収容され、HPEによって管理されている。
この専用のコンピューティングサービスは、来年には運用を開始する予定である。
HPEのシニアバイスプレジデント兼HPCおよびミッションクリティカルソリューション(MCS)担当ジェネラルマネージャーのJustin Hotardは、先日発表した声明の中で、「大量のデータセットに人工知能、機械学習、分析機能を実装するには、ますますハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)システムが必要になっています。」と述べている。
「お客様は、最もデータ量の多いプロジェクトでのHPC機能と、簡単でシンプル、かつ機動的な管理を求めています。安全なオンプレミスソリューションをサービスとして提供するHPE GreenLakeプラットフォームを利用することで、国家安全保障局(NSA)は、さまざまな複雑なデータニーズに取り組むための業界最先端のHPCソリューションを、サービスとしての柔軟な体験とともに獲得しています。」
2017年11月に発表されたGreenLakeは、さまざまな業界の重要なワークロードに消費型ITを提供するための、HPEのクラウド型のサービスとしての提供メカニズムである。HPEは、GreenLakeを同社の最も急成長しているビジネスユニットとして挙げている。2021年3月までに、コミットされた契約額は45億ドルと報告されており、前年比40%で成長している。
仮想マシン、コンテナ、ハイブリッドクラウドの統合、ベアメタルをカバーするサービスのポートフォリオであるGreenLakeは、拡大を続けている。2020年12月、HPEは、HPCプロジェクトの展開を最大75%高速化し、資本支出を最大40%削減(HPEが委託したForrester Consultingの調査による)できると主張する、構成済みのHPCサービスのセットをもって、HPCの顧客の広がりに目を向けている。
GreenLakeのマネージドサービスは、顧客のデータセンターやコロケーション施設にオンプレミスで導入することができ、クラウドのような経済性、アクセス、利用と、オンプレミスのセキュリティやパフォーマンスの特性を兼ね備えている。
GreenLake HPCサービスは、HPE ApolloおよびProLiantサーバでデビューしたが、現在では、Cray XEスーパーコンピュータシステムやSlinghotインターコネクトを含む、HPEのサーバおよびストレージポートフォリオ全体から選択することができる。
CEOのAntonio Neriは、最近の同社のブログ記事の中で、HPE GreenLakeが 「市場をリードするエッジ・トゥ・クラウドプラットフォーム 」になることを誓っている。
Neriは、HPE GreenLakeプラットフォーム開発チームの設立を発表した。このチームは、シームレスなエッジ・トゥ・クラウド体験に焦点を当てた、統一されたGreenLakeクラウドプラットフォームの提供を担当する。
Neriは、「HPE GreenLakeが開拓した “あなたのところにやってくるクラウド “という、まったく新しいクラウド市場の成長は、まだ初期段階にあると考えています。」と述べている。
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GreenLakeのHPC-a-Serviceの図(出典:HPE) |