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9月 26, 2022

【東北大学】咳による体内のエアロゾル発生をコンピュータシミュレーションで再現

HPCwire Japan

咳やくしゃみを含む呼吸活動によって、体内の粘膜からナノ―ミリスケールにわたるエアロゾルが発生し、大気中に放出される。しかしながら、この体内でのエアロゾル発生は計測することが困難で、これまでは口から放出された後のエアロゾルを計測するしかなかった。

この課題に対して、東北大学流体科学研究所の安西眸助教・高奈秀匡教授・太田信教授、医学系研究科の赤池孝章教授・松永哲郎助教の研究グループは、気道粘膜―エアロゾル―呼気の連成解析によるエアロゾル生成シミュレーション手法を構築した。これにより、生体内で発生するエアロゾルの個数やサイズを定量的に算出することが可能となった。さらに咳の流量を2倍にしてシミュレーションを行ったところ、約100倍の個数の微小なエアロゾルが発生する可能性が示唆された。今後、患者個人個人の気道形状や、様々な呼吸条件を与えてシミュレーションを行い、エアロゾルの発生量・粒径分布を計算することで、より詳細な感染リスク評価の実現が期待される。


ソース:東北大学