世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


12月 12, 2022

【東北大学】確率動作スピン素子を用いた高性能・省電力「P」コンピューターを実証

HPCwire Japan

東北大学、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(アメリカ)、メッシーナ大学(イタリア)の研究チームは、機械学習や組合せ最適化などの用途で威力を発揮する確率論的(「P」)コンピューターを開発し、優れた演算性能と電力効率を明らかにした。

人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴いコンピューターに要求される演算性能は飛躍的に増大しており、一方で昨今の社会情勢の中ではコンピューターの省電力化もまた重要な課題である。これら要求の全てを従来型(古典)コンピューターで対応するのは難しく、古典コンピューターが苦手とする問題に特化した新概念コンピューターの研究開発が活発に行われている。

今回研究チームは、機械学習や組合せ最適化などを高速かつ省電力で解く「Pコンピューター」を、自然の熱で状態が確率的に変化する新規スピン素子とプログラム可能半導体回路(Field Programmable Gate Array; FPGA)を用いて構築し、その性能を評価した。組合せ最適化を例に、古典コンピューターで確率的アルゴリズムを実行した場合と比較し、Pコンピューターは約5桁高い演算性能と約1桁低い消費電力を実現できることを明らかにした。


ソース:東北大学