世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


9月 3, 2013

米英のスーパーコンピューティングセンターが協力

HPCwire Japan

Tiffany Trader

ローレンス・リバモア国立研究所のハイパフォーマンス・コンピューティング・イノベーションセンター(HPCIC)と英国の科学技術施設会議(STFC:Science and Technology Facilities Council)の当局者は、新たなパートナーシップを記念し、了解覚書(MOU)を締結した。提携は、革新を加速し、経済競争力を高めるスーパーコンピューティングに投資する両国の産業界の利害関係者を支援する。

LLNLのDonald B. Johnstonによると、互恵的な関係が「HPCICとSTFCのハートリーセンター(HC)間の技術および事業開発の交流のために交通手段を提供します。」

HPCICとHCが同様の使命を共有するため、それは自然な調和であり、すなわち産業界と学術界がHPCへのアクセスを増大させ、顧客の問題を解決し、投資の回収を示す − そして、競争力の増大と経済成長に拍車を掛けるためにより大きな圧力をかける一環として、すべてのこれらの活動を実施する。

パートナーとは共通のモノを持っているものである:彼らの両方が主要な産業用コンピューティング資源としてIBMのBlue Gene/Qスーパーコンピュータを利用している。リバモアでは、HPCICは共同の割り当てのための「Vulcan」を採用している。これは、5PetaflopsのIBM Blue Gene/Q(BG/Q)システムで、世界最速スーパーコンピュータのTOP500リストで8位にランクされている。ハートリーセンターは、英国で最も強力なスーパーコンピュータ、1.4PetaflopsのBG/Qシステムのホームサイトである。

統一されたアーキテクチャを持つことは、このコラボレーションの中心であり、ソフトウェアおよびアプリケーション開発を容易にするだろう。初期のプロジェクトは、Blue Geneのパワーに作用できるビジネスや業界のツールの作成を中心におこなわれる。BGアーキテクチャは、今日のビッグデータアプリケーションに特に適している。これらのデータ集約的なワークロードは、サイバーセキュリティ、ネットワーク最適化、大気モデリング、バイオインフォマティクス、医学などの分野では一般的である。

産業分野は、一般的にHPCが提供する利点を理解しているが、参入への敷居が高い。HPCの業界利用の増加に焦点を当てている組織として、HPCICとHCが障壁となる要点(HPCハードウェアのコスト高、ソフトウェアや専門知識の不足の制限等)に精通している。両グループは、こうした障害に対処し、HPCが部門間の潜在能力を発揮するのを支援するために特別に設置された。

米国エネルギー省と英国ビジネス・イノベーション職業技能省(BIS)は、先週木曜日に共同発表を行った。

署名の際、英国のSTFCのJohn Womersleyは、「私たちの目標の一つは、科学と産業の間のギャップを埋めることです。今日、我々が署名した契約は、UKのハイパフォーマンス•コンピューティングの可能性を最大限に活用する支援となるでしょう - 新製品の設計のための基礎研究から研究開発まで。最先端の研究開発を成功させた商機に移行することに向かって重要な一歩となるのと同じくらい、今日この契約を締結することに興奮していますし、そして、グローバルな規模で競争できるよう、それらが必要とする技術を英国の企業や産業に供給するでしょう。」と話した。