Cray、円卓会議で学術系HPCニーズを強調
Alex Woodie

大学は数十年の間、高性能コンピューティングの最前線に立っており、世界最大のスーパーコンピュータの多くは学術機関で運用されています。しかしながら、それがHPCと学術界になると万能解決策はありません、とスーパーコンピュータメーカーであるCrayの代表者は最近の円卓会議で語った。
Crayは、カリフォルニア州サンディエゴで先月開催されたExtreme Science and Engineering Discovery Environment (XSEDE)カンファレンスで学術界におけるHPCニーズに関する円卓会議を開催した。招待者限定のこのイベントには、大学および学術機関が支援するスーパーコンピューティング研究所の代表が多数出席した、とCrayの高等教育事業開発のヘッド、デビッド・バルカイは、最近のブログ記事に書いている。
円卓会議でのスピーカーの1人はサンディエゴ州立大学のサンディエゴ・スーパーコンピューティングセンターのディレクター、マイケル・ノーマンだった。バルカイによると、ノーマンはGordonと呼ばれる341TeraflopsのCray CS300-ACシステムがどのように教員のニーズを満たし、科学的な様々な分野の研究を可能としているか話した。
バージニア工科大学のHPCおよび高度研究コンピューティングのディレクター代理、ビョング-ドゥ・キムもまた、イベントで講演した。キムは、一般利用者にスーパーコンピューティングをより簡単に使えるようにするための大学の取り組みについて話した。
最近インディアナ大学(IU)に設置された新たなCrayスーパーコンピュータであるBig Red IIについて、同大学のエグゼクティブディレクター、クレイグ・スチュワートが論じた。Big Red IIは、医学、工学、生命科学、物理科学、社会科学、気候研究および人文科学の分野で研究を行うために使用される1 PetaflopsのCray XE6/XK7マシンである。
SDSCのGordonとIUのBig Red IIで実行される多様なワークロードの種類は、学術的な背景においては稀なものではない。Crayはこれらの異なるニーズに異なるシステムで対応できる、とバルカイは彼のブログに書いている。
「学術機関は的確なニーズを満たし、かつ予算に合うように高性能コンピューティングへの投資を微調整することができます。小規模なTeraflopsシステムが満足するなら、Crayはそれもできます。また、研究機関がPetaflops級の性能に到達したい場合、それもまたオプションとして提供できます。」と彼は書いている。
例えば、学術機関が柔軟性と最適化アーキテクチャを必要とする場合はCrayのXC30もしくはXK7を選択することができ、データ集約型の研究のために純粋なパワーとスループットを望むときは、CrayのCS300-LCもしくはCS300-ACクラスタを選択するかもしれない。Crayは、またビッグデータ問題に取り組むために設計されたユーリカグラフ分析アプライアンスを提供している。
円卓会議は、バルカイが主催し、そしてテキサス先端計算センター(TACC)、国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)、コロラド大学、国立科学財団(NSF)とテネシー大学/国立計算科学研究機構(UT/NICS)の代表者が含まれ、活発なパネルディスカッションとしても展開した。
パネルでは、学術界におけるビッグデータの「変質の性質」、データ集約型コンピューティング(異機種コンピューティングの概念の複雑さ)、そしてHPCプログラムを始めた小規模機関のユニークな挑戦、について議論された。
「我々はまた、Crayがチャペルイニシアチブを通じて対処している新しいプログラミング言語のニーズの高まりについて長い時間を費やして話した。」とバルカイは書いている。