致命的な2度の爆発でTianhe-1Aを停止
Tiffany Trader

水曜日の夜に中国東北部で起きた50人以上の死者と数百人の負傷者を出した工場災害に伴う安全上の懸念を理由に、2010年にスーパーコンピューティングの選り抜きへと中国の台頭を告げたスーパーコンピュータであるTianhe-1Aを中国はシャットダウンさせた。
マシンは、北京からおよそ75マイル東の天津の国防科学技術大学のキャンパスにある天津国立スーパーコンピューティングセンターの中に設置されている。中国本土のメディアの報道によると、致命的な爆発からほんの数キロメートルに位置しており、センターは激しい揺れに耐えたが、結果的に外壁が割れ、窓ガラスが粉々になり、天井が崩壊した。
新華社とサウスチャイナ·モーニング·ポストは、コンピュータには損傷はなく、運用できる状態であると伝えている。
センターのディレクターであるLiu Guangmingは、大規模な爆発が危険物を保管していた倉庫を引き裂いたが、コンピュータはスムーズに稼働していたと、新華社に伝えている。計算機室は高価な機器を内部で保護するように強化されている。センターのスタッフは爆発の30分後に安全対策として、マニュアルでTianhe-1Aを停止させている。
「スーパーコンピュータとデータベースはそのまま残っています。」とLiuは語っている。
2.57ペタフロップス(LINPACK)のマシンであるTianhe-1Aは大学や銀行を含んだ中国中の300を超える機関にデータサービスを提供している。以前の報告ではこのスーパーコンピュータは石油探査や航空機設計に利用されると指摘されており、「オープンアクセス」コンピュータとしての方向性は国際的に顧客にサービスを提供することを意味するというものであった。
Tianhe-1Aの重要性は多様だ。2010年11月のTOP500における登場は中国のスーパーコンピュータが初めて手にする栄誉であった。その成果はまた、早期のペタスケール・マシンのひとつで、中国の2番目のマシン(Nebulaeの後)として現れている。
初期のペタスケールマシンはヘテロ・マシンであり、汎用CPUと特殊アクセラレータもしくはコプロセッサで構築され、Tianhe-1Aもまた14,336個のXeon X5670プロセッサと7,168基のNVIDIA Tesla M2050 GPUを搭載している。
Tianhe-1Aのチーフデザイナーで国防技術大学の教授でもあるYang Xuejunが2010年にコメントしたように:「Tianhe-1Aの高性能の鍵は、CPUとGPU(Graphics Processing Units)の組み合わせによるハイブリッド・アーキテクチャです。」
Tianhe-1Aは2010年11月から2011年6月まで、
公的に明らかにされている最速システムのTOP500リストで1番の位置にあり、Tianheの後継であるTianhe-2が2013年6月に再度トップの座につくまで、数年の間をおいていた。両マシンとも中国の長沙にある国防技術大学で開発されたものだ。
2015年6月のTOP500リストでは第24位にあるこのコンピュータは、構築に8千8百万ドル掛かったと報告されており、電気代と運用経費でさらに2千万ドル毎年掛かっている。このスーパーコンピュータの重量は150トンで、1,000平方メートルの面積を使っている。
報道機関は2つの主要な爆発があり、宇宙の衛星からも見ることができたと報道している。
「最初の爆発はTNTで3トンのものに匹敵しました。」とNPRのFrank Langfittが中国の情報源から収集している。「2番目は21トンです。衛星画像では爆発半径ほぼ2マイルであったことを示唆しています。」
致命的な事故の原因はまだ確認されていないが、爆発が発生した倉庫は有毒化学物質や危険物を収容していた。
このロイターの写真は荒廃の規模を示している。