ASC16学生スーパーコンピューティング・チャレンジでは深層学習、海洋モデル、HPCGがテーマに
ASC学生スーパーコンピュータ・チャレンジ2016(ASC2016)は先日、コンテストの予選の詳細を発表した。世界中らかの大学生がHPCGとMASNUM_WAMアプリケーションに3000W以下で最適化されたハイパフォーマンス・コンピュータ(HPC)を設計するばかりでなく、標準ハイブリッドCPU+MICプラットフォーム上でのDNN性能の最適化も行うように求められている。最適化アプリケーションの結果とコードと共にすべてのシステム設計を3月2日までに提出しなければならない。

DNN(深層ニューラルネットワーク)は、人工知能において最も重要な深層学習アルゴリズムのひとつだ。高い計算効率を必要とするHPCアプリケーションとしては新興である深層学習は、最近広い関心を獲得している。多くの場合、DNNはCPUもしくはGPU上にセットされる。しかし、ASC16の予選においては、学生達はMIC(Many-Integrated-Core)プラットフォーム上でDNNを開発しなくてはならない。間違いなく、これはすでに困難なタスクを別のレベルにもたらすであろう。
MASNUM-WAMは、海上輸送から海洋探査、海洋気象予報などに至る幅広いレンジのアプリケーションのための海洋研究において新たに開発された表面波数値モデルである。ASCコンテストに参加する科学者達は、より創造的なアイデアやより良い性能最適化をひらめくだろう。
HPCG(ハイパフォーマンス共役勾配法)はスーパーコンピューティング用の最新の国際的ベンチマーク標準として知られている。これはCPU計算性能、メモリ容量、メモリ帯域幅、およびインターコネクト機能における重要なバランスを要求する。以前使われていたHPL 試験よりも複雑ではあるが、有限要素計算や流体解析のような現実のアプリケーション性能を示すことができる点において、HPCGはスーパーコンピュータの性能評価傾向に非常に良く適していると考えられている。
2012年に最初に開始され、ASCはすぐに世界最大のスーパーコンピューティングのコンテストとなっており、最新のコンテストでは世界中から160以上のチームが参加している。密接に最前線の技術を追随することで、ASCは益々、スーパーコンピューティングの才能を引きつけ、世界中のHPCコミュニティでコミュニケーションを大幅に推進してきた。
コンテスト予選の詳細情報はこちら:http://asc-events.org/ASC16/Preliminary.php
ソース:ASC16