世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


1月 28, 2016

HPCの予算:お金はどこに?

HPCwire Japan

John Russell

おそらく驚くべきことではないが、Intersecy360リサーチが先日リリースした2015年のレポート:HPC予算マップによれば、ハードウェアはいまだHPC予算の王者のシェアを占めている。サーバ支出が過去5年間で首位の項目であり、2014年から約2パーセント微増している。ストレージは2位で繰り返した。

さらに興味深いのは、サイト調査の回答者全体において一般的には支出は増えているが、HPC用のクラウド・コンピューティングは違った。クラウド・コンピューティングは過去5回の調査において上方向、下方向というよりは与えられた年において多少の変動があり、平均約3パーセントであった。

「次の数年間にクラウド・コンピューティング(プライベートもしくはパブリック、またはクラウドサービスのタイプの区別はない)の利用が増加するであろうと報告する数名の回答者も継続的にいます。」と報告している。「しかしながら、クラウド・コンピューティングへの全体的な支出における大きな増加を見ると、使用量がもっと広範囲でなければなりませんが、過去5年間に渡ってそれを見ることはないのです。」

「回答者のたった約1/4がクラウド・コンピューティングにお金を支出していると回答しています。この中で、おおよそ半数がパブリック・クラウド製品に主に支出していると報告しています。主にパブリック・クラウドを利用するという回答者のシェアは過去数回の調査においてもほとんど同じです。それゆえに、HPC計算およびストレージの要求に対しては、支出増加のほとんどはパブリック・クラウドよりもプライベート・クラウドに向かっていると我々は信じ続けているのです。」

次のように測定された5つのクラウド・コンピューティング支出カテゴリが定義されている:

  • ローサイクル: 演算サイクルの購入、組織はアプリケーション・ソフトウェアを提供する
  • クラウド・ストレージ:クラウド・プロバイダーの施設にあるデータ・ストレージ領域の購入
  • SaaS/アプリケーションサポート:演算サイクルとISVソフトウェアの購入
  • クラウド内
  • 環境ホスティング:すべてサードパーティーが管理するサーバ、ストレージ、ソフトウェアを使って、仮想的にすべての計算タスクをサポートするサービスの利用
  • その他ユーティリティ/アウトソーシング・コスト:上記以外

20160114-S1-I360-Cloud-Budgets-2015-PM

HPCサイトにおいては人件費が2番目に大きな全体支出であり、予算の20%を占めている。システム管理と運用がこのカテゴリの主な部分である。ソフトウェアはHPCサイトにおける3番目に大きな全体経費であり予算の12%でソフトウェア・ツールが主な予算項目である。上位4つのHPCカテゴリ(サーバ、ストレージ、システム管理運用人員、ネットワーク)は2015年における全体HPC予算の半分(51%)を占めている。サーバ、ストレージおよびネットワークはHPCにおける製品およびサービス(設備および人員を除く)に対する支出の64%を占めている。

「今年と昨年の予算マップ調査においては、アクセラレータを使うことに関連する追加コストが垣間見られました。その他ハードウェア・カテゴリにおいては、数名の回答者がこれらの特別処理ユニットに対する支出を報告しています。これらの回答者においては、アクセラレータに関する追加支出がハードウェア全体の支出の5%から最大78%まであります。これはユーザがさらに性能を得る際にCPUを取り替えるよりはアクセラレータを購入していることを意味しています。これが真であるならば、アクセラレータ、FPGA、およびコプロセッサの利用はサーバ支出における予算のシェアを増加することとなるでしょう。」

20160114-S1-I360-HPC-Budget-2015

Intersect360リサーチの2015年の調査はすべての地域、セクター、予算レベルから175の回答を得ている。2015年回答者の地域では北米が48%を占めている。2015年は33カ国から回答を得ており、全年度においては45カ国だ。アカデミックが2015年回答者の69%を表している。各質問に回答している回答者の数は異なることに注意。

完全な記事はIntersect360を参照:http://www.intersect360.com/industry/reports.php?id=37