世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


12月 12, 2013

IBM、HPCとハイパースケールのため密度のダイアルを上げる

HPCwire Japan

Nicole Hemsoth

NextScaleシステムと始めるワークロードの広大な範囲を網羅するため、IBMは常に広がり続ける網を投げ入れている。それは、クラウドの最先端から高性能コンピューティングに至る全てを誘き寄せるために簡素化したx86ルアーを使用するように設計されている。

そのルアーは驚くほど単純で、すべてデザイン次第である。計算関係のすべての側面にいるサーバ購入者は、簡素化され、目的主導型で、かつコスト意識の高いハードウェアの急流に引き込まれている。 IBMは、この未完箱アプローチの上流へ泳ぎ続けている(追いついているが)幾つかのひとつとして残っている。そして、混乱の中に幾らかの性能意識を投げかける。

彼らのx86主導に加え、NextScaleの主役は、ハーフワイドなNextScale nX360サーバ内に囲われているIvy Bridgeプロセッサ(1つまたは2つ)である。これらは、標準の19インチラック内に84台(もしくは2,016コア)まで倍増できる矩形箱型のホスト n1200 エンクロージャー(6U、12ベイ・シャーシ)にこじんまりとはめ込まれている。

そして「標準ラック」は、少なくともiDataPlexライン(しかしその有用であるが非標準的な設計を上手に扱うために必要な空間と時間の不思議な操作によって嫌厭されたもの)を扱った者にとって、ここでは重要な言葉である。言い換えると、IBMは、NextScaleシステムで「全世界の最良」アプローチをとっており、市場に氾濫しているハイパースケール(とハイパーチープ)ソリューションの波で大接戦を演じることが出来るかも知れないある物を作るためにiDataPlexとFlexからMVP機能を引き継いでいる。

この新しいサーバの負担は、HP(言うなればSL6500シリーズとハーフワイドのSL390S)からだけでなくDell(特にC8000シリーズ)からも類似した競争力のある製品ラインと共にIBMをより大きな未開拓市場(培養皿)へと参入させる。しかし、ここでの違いは、彼らが最近買収したPlatform Computingのワークロード管理ツール、完全なGPFSのサポートとクラウド側ための既成APIと始まりはフリーだったがIBMによって積極的にサポートされているxCAT用のバイナリーを含むIBMの主要な取り組みや製品の一部を統合して提供することができることだ、とSystem X製品マネージャーのGaurav Chaudhryは言う。

「System Xファミリーへの経済性の追加」と呼ぶIBMは、このアプローチが多様なターゲットのワークロードをサポートするために密度、性能と柔軟性を提供すると言う。HPCの聴衆のために、価値があるいくつかの機能は確かにあるが、しかし、一般的に言って、これは競合他社の別のベアボーンボックスに対して相対的な価格で必要とするものをユーザーに構築させる必要最小限のアプローチだ。しかし、これらのうちの多くは我々が次のISC前にTop 500の中に発見出来ないかも知れないが、今後、消えて行くものが幾つか残っている。

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NextScaleの発表は、少なくともHPC購入者にとって可能性と将来について現実的である。これまでのところ、Intelのみの提供であり、GPUとXeon Phiのサポートが2014年前半になる。Power、ARM、もしくは他のプロセッサを含むその他の追加は、公式な予定には無いが、 他者が顧客要求に呼応して推進することに対して、IBMが取り残されたくないだろう事は当然の理である。

とは言うものの、GPUやPhiのような刺激的な要素を組み入れるという事は、より洗練された冷却の必要性を意味する。NextScaleで注視すべき欠落した要素は、直接水冷だ。本日発表されたバージョンでは、受動的水冷が可能な空冷がある。 Chaudhryは、直接水が他のアクセラレータ/コプロセッサ機能に沿って丁度来ていると言う。

その不作為は脇に置いておいて、HPC集団にアピールすると思われる幾つかの注目すべき他の要素がある。 例えば、IBMは、FDRおよびQDRを含めたInfiniBandのために十分洗練されたサポートを提供する。 統合I/O、またはスイッチングが無く、シャーシレベル管理も無いが、iDataPlexの魅力的な部分、すなわち殆ど全てのコンポーネントへフロントアクセス出来る機能は引き継がれた。

クラウドや一般のデータセンターユーザのため、標準のGigabit Ethernetポートが2つある。しかし同様なオプションとして10GbEを追加する機能を販売できることも彼らにとって嬉しいことだ。 一方、HPCは、IOPS、遅延と一般的な性能に関する全てであるが、クラウドの顧客は、全て提供時間に関係しているため、単純に可能な限り速く起動させ、実行させたいだけだ、とChadhuryは言う。

IBMのDavid Wattsが新しいnx360サーバの追加分について述べた:

IBM NeXtScale nx360 M4計算ノードは、基本アーキテクチャの中に必須のコンポーネントのみ含まれている…

・1基または2基のIntel Xeon E5-2600 v2シリーズ・プロセッサ
・最大128 GBまでの総メモリ容量を提供し、最大1866 MHzで動作する最大8枚のECC DIMM
・2基のオンボード1Gb Ethernetポート
・IPMIとUEFI業界標準をサポートしたIMM2による統合管理機能
・16x ライザーケージを介してのPCI Express 3.0 I/O拡張機能
・PCIeスロットを消費せずにFDR InfiniBadまたは10Gb Ethernet用の追加メザニンスロット

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IBMは、フロントアクセス機能(iDataPlexシステムと同様に)を提供する顧客等から前向きな反応を得た事が契機となりNextScaleにそれを引き継いだ。Chaudhryは、iDataPlexが独自の構成によって作られ、乏しい柔軟性を提供している一方、NextScaleの考え方は、「19インチ幅サーバに対抗して、この8.5インチ幅サーバ、しかも深い(浅いに対して)アプローチのように、私たちが好みだったものを全て維持し、他のものを取り除くこと。」であったことを潔く認めている。

Chaudhryは、早い段階で触れた「すべての世界の最良」について言及し、「虚栄心のない」ひとつの思いとして、能力の増加がFlexに対するNextScaleラインとの間での違いであることを強調する。「そのため、顧客がシャーシに組み込みの統合スイッチを求めていない場合、顧客自身で選ぶことができる柔軟性を持っています。」と言う。

この発表の背後にある重要な概念は、柔軟性、シンプルさと拡張性である。要するに、iDataPlexの奇抜な設計と実装の詳細から離れ、Flexが一部のユーザーのために提供出来るかも知れないことより、成長のためにより多くの余地をふまえることである。IBMのSystem X製品マーケティングマネージャ、Gaurav Chaudhryは、これはのiDataPlexラインの即時終了と言うことではないと言う。これは単に、多大な労力を掛けずに活動するクラウドユーザー向けの軽量かつ十分シンプルなまま、HPCの低遅延で高性能かつ高いI/O要求を満たすことができる柔軟なシステムに向けての進化の証である。同社は、まだ少なくとも18ヶ月間継続してサポートするiDataPlexシステムを幾つか持っているが、しかしハイパースケールで、低コストなNextScaleは、IBMを本当の戦場へ押し出し、価格競争へ突入させる。

余談として、Flexラインが、NextScaleに対して「Flex」という名前だったことが残念なことと思える ー これらの本当の意味は、Flexはスケーラビリティを強調し、NextScaleは柔軟性を強調する、フリップ・フロップな関係のように思われる。