オーストラリア最速のスーパーコンピュータRaijin登場
Alex Woodie

オーストラリア国立大学(ANU)の関係者は、今日、オーストラリアで最速となる1.2ペタフロップスのスーパーコンピューターRaijinを公式発表した。ANUキャンパス内のNational Computational Infrastructure (NCI)に設置され、気候モデリングなどに使われる。
ANUの発表によると、Raijinは、2.6GHzで動く57,472コアのIntel Sundy Bridge、!60TBのメモリー、10PBのストレージ、9TB/sのMelanox FDR Infinibandからなる富士通Primergyである。
Top500のウェブサイトによると、このクラスターは、2012年11月のTop500に24位で登場し、2013年6月に27位に順位を下げた。ベンチマークでは、53,465個のコアだけを使って1.1PFLOPSのピーク性能を出した。
オーストラリア放送協会の話によると、Raijinの初期費用は5000万オーストラリアドル、毎年のランニングコストは1200万オーストラリアドルである。このクラスタは、名前を日本神話に登場する雨と雷の神に由来し、水資源管理、大気海洋モデリングに広く使われる。
「気候科学コミュニティーの我々には計算速度が必要であると言うことができた。」と、気象局長官のロブ・バーテシー氏がAFPに語った。「純然たる事実として、スーパーコンピューターの能力がこの分野において我々が成功する主要な決定要因である。しかし、安全なアクセスのための努力も重要であった。」
ANU准教授兼NCL研究員のアンディー・ホッグ氏によると、南半球の海流に関する彼の研究について、Raijinの性能が大きな力になる。ホッグ氏が10年前にこの研究を始めた際に、彼が持っていたHPC資源はちょうど8個のCPUを持っていた。彼によると、Raijinによって、ひとつのプログラムは同時に3000から4000コアを利用できる。「我々の仕事は、次の5年間の気候モデルの進歩を本当に支えている。」と、ホッグ氏はビデオで語った。
Raijinは、また、オーストラリアの科学界に利益をもたらす。従来、オーストラリアの科学者は、彼らのモデルの計算に必要な計算機資源を使うために、国外へ行く必要があった。現在は、科学者が国内にあるRaijinを使える。
このクラスタは、NCIの新しい機能のハイライトであり、本日、市民に正式公開された。Raijinに加えて、Dell製の3,200コアクラスタを導入する計画がある。320万オーストラリアドルを要したと、先週AUDが発表した。
AFPの報告によると、世界的な経済危機の中での基盤建設刺激政策として、Raijinに資金が助成される。NCIは、ANU、Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization (CSIRO),、Australian Bureau of Meteorology、Geoscience Australia,、そして、 Australian Research Council.を通して他の大学から資金を助成される。