英国でBlueBEARクラスタが運用開始
Alex Woodie

英バーミンガム大学は、第二世代のBlueBEARスーパーコンピュータを公開した。Linuxベースのクラスタシステムは、英国の大学の研究者のみならず、コンピュータ科学者と素粒子物理学者のより広範囲なグループに利用される。
![]() |
BlueBEAR IIは、約850個のIntel Sandy Bridge CPUと少数のNVIDIA Quadro5000 GPUで構成されたIBM iDataPlexシステムである。2007年に運用を開始した第一世代のサーバからの置き換えであり、Scientific Linux OSによって動作し、15テラフロップスの理論ピーク性能を有する。
大学は、一般的なHPCサービスや、大容量メモリサービス、GPGPUサービス、国内のBEARでは受け入れ不可能な仕事のために他のシステムのHPCリソースを補完するMidPlus地域サービス等、様々なサービスをBlueBEAR上で提供する。
InformationWeekの記事によると、BlueBEARはまた、様々な国々に拠点を置く大規模な研究グループの共同会議や可視化作業に役立つ 「アクティブステレオ表示とモーショントラッキング」機能を含む洗練された可視化機能を提供する予定である。
システムは、一連のBirmingham Environment for Academic Research (BEAR)プロジェクトの一部であり、大学の研究ニーズに満たすために設計された相互補完的なインターリンク・サービスを提供する。システムは、大学とスーパーコンピュータ事業者でありITサービス会社でもあるOCF、とIBM、アダプティブ·コンピューティング、Mechdyne、IOCOM含む異なる専門パートナー集団によって運営される。
バーミンガム大学の考古学、経済学、科学、エンジニアリング部門の学術研究者達が新しいシステムを利用する予定である。化学部門では、例えばナノサイエンス研究を行うためにBlueBEARを使用することを計画している。InformationWeekによれば、計画されたプロジェクト全体に渡って、燃料電池のためのより費用対効果が高く、環境に優しい触媒を作り出すことを目指している。
大学はまた、英国の素粒子物理学者とコンピュータ科学者との共同研究にスイスのジュネーブ近郊に本拠を置くCERN施設からBlueBEARの一部がGridPPとして利用できるようになる。
BlueBEAR IIが運用されてから数ヶ月のあいだに、オフライン・レンダリングで使用されるCPUとGPUの混成ノードから構成された『専用レンダーファーム』を含む、Linuxベースのシステムのアップグレード作業が行われている。
InformationWeekの記事によると、LinuxベースのHPCサービスを利用し、精通している研究者以外にもBlueBEARの潜在的なユーザーベースを拡大するために、大学は、Windowsサービスも利用できるように計画している。