世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


1月 30, 2014

科学者がGPUベースシステム向けの気象モデルを準備

HPCwire Japan

Tiffany Trader

Piz Daint ー スイス国立スーパーコンピューティングセンター(CSCS)に導入されたCrayスーパー コンピューター ー の最初の発表の頃、プロジェクトリーダーは毎日の天気予報のためにドイツ気象サービス、MeteoSwissおよびその他の機関によって使用される大気モデル、COSMOについての利点を挙げた。COSMOモデルは、7つの全国の天気サービスのグループである小規模モデリングコンソーシアム(通称COSMO)によって維持されている。

スイスHPCプロバイダーコミュニティ、hpc-chでの記事は、GPGPUのようなハードウェアアクセラレータを利用するための変更をどのように行うかを含むCOSMOアプリケーションの最近の進展の詳細な調査を提供している。

過去3年間で、気候システムモデリングセンターとMeteoSwissセンターからの研究者が、高性能・高生産性コンピューティング(HP2C)イニシアチブとの自分の仕事の一部として利用するCOSMOモデルのコードとアルゴリズムを改正し、洗練している。このプロジェクトの主な目標は、ソフトウェアをより効率的にし、それをハイブリッドGPUコンピューティングシステムによって提供される性能向上にてこ入れするためにそれを適応させることである。コードは、CPUとGPUの両方で浮動小数点演算を提供するCrayシステム、Piz Daintで成功裏にテストされた。9 月にグループは、シミュレーションの効率化を行い, またエネルギー消費を削減することも可能としたと報告した

これらの有望な結果によって、COSMOコンソーシアムの運営委員会は、正式版で新たな開発を完全に支援することを決めた。これは、GPU向けバージョンがCOSMOモデルの全ユーザーに配布されることを意味する。MetoSwissの主席科学者でコード変更に取り組んでいるOliver Fuhrerは、GPUベースのコンピューティングプラットフォームの利点と変化の意義について付加的な詳細説明を提供する。

Fuhrerは、統合プロジェクトが「公式」モデルがまたHP2Cプロジェクトの始まりから幾らかの開発作業を経てからも、小さなチャレンジであることを示していると指摘する – 新しいバージョンが両方の変化のセットを組み込む必要があるように。Fuhrerによると、それは一部のコードのリファクタリングと多くのテストが必要になる「厳格な」プロセスである。

Fuhrerはまた、2つのHP2Cプロジェクトが示す3つの重要なポイントについて説明する:

まず第一に、COSMOコードのほぼ全ての単一ソースコードを保持しながら、GPUベースのハードウェアをターゲットとすることは可能である。第二に、GPUハードウェアを使うことは、シミュレーション時間を加速し、シミュレーションを実行するコンピューターを運転するために必要な電力の削減に非常に魅力的である。第三に、その領域の科学者がCOSMOモデルのこの新しいバージョンを開発し、動作させることが可能である。

たとえ変化をもたらすことが沢山の仕事であるとしても、効率性の向上と電力消費の利点は、特にビッグサイエンスシステムでGPUの評判が依然拡大していることは、抗し難い状況である。CSCSで11月に稼働したアップグレードされたPiz Daintスーパーコンピューターは、CPUとGPUが同数使用されている。「GPUでも実行できるアプリケーションが[彼らに]利用可能な前例のない計算パワーをもたらすでしょう。」とFuhrerは言う。