Alex Woodie
研究者はついにTrironの占有ノードを購入することができる。サンディエゴスーパーコンピュータセンター(SDSC)のシステムは新しいハードウェアで先月再出発した。新たな“condo(分譲マンション)”型利用モデルでは、先の“ホテル”型利用モデルでは難しかった大規模HPCワークロードを利用する研究者に利益があると言われている。
新しいTriton共有コンピューティングクラスタ(TSCC)は、2009年から2012年にカリフォルニア大学サンディエゴ校のSDSCプログラムが運用していたTritonのアップグレード版である。
6月の初め、SDSCはオリジナルTrironの上位バージョンであるTSCCの包みをほどいた。さらにハードウェアのアップグレードについて参加した研究者達に、新クラスタのハイブリッド“condo/ホテル”ビジネスモデルを披露した。
Tritonの“ホテル”型モデルにおいては、研究者は時間制料金で演算時間のブロックを購入していた。「このモデルは中間または低いレベルの演算要求がある利用者にとっては好評でしたが、長期間もしくは相対的に安定した演算要求がある利用者には理想的ではありませんでした。」とTSCCアナウンスの中でSDSCは語っている。
TSCCは“ホテル”型モデルを引き続き提供し、研究者が演算ノードを購入しTriton上にそれらをインストールさせる新しい“condo”型モデルを増大させていくだろう。“condo”型モデルでTritonノードを購入した研究者は4年間、ノードの演算能力に100パーセントアクセスすることができる。
TSCC上の各演算ノードは8コアのIntel Xeon E5-2670 Sandy Birdgeプロセッサを2個搭載し、メモリは64GBである。基本インターコネクトは10ギガビットイーサネット。“condo”利用者はオプションで大規模メモリノードや高速なInfinibandインターコネクトも利用できる。さらに“ホテル”型も“condo”型利用者もオプションでHPC能力を増加させるNVIDIAのコプロセッサ付のノードを購入することもできる。
“condo”型モデルを購入した研究者は、大規模クラスタのブロック時間を“ホテル”型モデルで購入することもできるし、他の利用者とTritonのリソースを共有することもできる。“condor”モデルで購入したノードがアイドルの場合、演算時間は他の利用者をサポートするために“あさられる”かもしれない、とSDSCは語っている。
「利用者への主なメリットは、単独の研究室で供給できるものよりさらに大規模なリソースにアクセスできるし、研究室の人員でパートタイムで保守するより、フルタイムのスタッフによりプロ的に保守されるシステムを持つことができることです。」とSDSCの民間広報ディレクタであるロン・ホーキンス氏はアナウンスの中で語っている。
このクラスタはSDSCのリサーチ・サイバーインフラストラクチャ(RCI)プログラムによって設計および運用されている。RCIは管理者、利用者サポートおよびソフトウェアライセンスを含む運用コストを提供しており、“condo”利用者に“控えめな”料金を払わせることによってノードハードウェアの経費を賄っている。
「“condo”モデルは、他のカリフォルニア大学のキャンパスにおけるHPCリソースの提供方法をベースとし場合、研究演算において最も成功し、持続可能なビジネスモデルです。」とSDSCのディレクタ代理でありRCIプログラムのプロジェクトマネージャであるリチャード・ムーア氏は語った。