世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


11月 11, 2014

ハチドリのホバリングを解明する

HPCwire Japan

Tiffany Trader

ハチドリが重力の法則に逆らうかのようにどうして空中でホバリングすることが出来るのか、今まで不思議に思ってきた? あなただけでは無い。Vanderbilt大学の機械技師、Haoxiang Luoは、その神秘的な力を分析評価することを試みるハチドリの飛行3Dシミュレーションを実行するためにXSEDEのLonestarスーパーコンピュータにアクセスした。

科学ライターのJorge Salazarは、TACCのWebサイト上の最近の記事でLuoの研究について詳しく説明する。科学は、ミクロおよび無人航空機の開発のための現実世界のアプリケーションも持っている。

Luoは、テキサス先端計算センターのLonestarスーパーコンピュータを使用して、ハチドリの羽のポンピングによって作られる三次元の流れのパターンのコンピュータシミュレーションを行った。

「私たちは、そのCPU時間とデータストレージの両方のためにTACCのLonestarを使用しました。」とLuoは言った。 「優れた計算パワーが、私たちに妥当な時間内でシミュレーションを完了することを可能にしました。」

翼の垂直方向の力が鳥の体重に等しいことが知られているが、まだより多くの発見があった。

研究チームは、訓練した雌のノドアカハチドリの飛行を記録するために毎秒1,000フレームの高速撮影カメラを使用した。非毒性塗料は、翼の前縁と後縁に小さなドットで適用し、空間と時間を通してドットを追跡するためのMATLABプログラムが可能にする。

「瞬発力特性は、これまで知られていませんでした。」とLuoが報告した。それは、鳥によって撹拌された3次元の流れでした。私たちが、羽ばたきの周期内の時間的に変化する力を定量化することができる最初のグループです。」

実験は、羽の運動、その運動によって発生する力、そして彼らの翼を羽ばたく中で消費される力との間に関係があることを示している、とSalazarは説明する。

鳥の小さな体長にもかかわらず、これは非常に計算集約的な試みで、それ故にリーダーシップクラスのスーパーコンピュータが必要性だった。

「わずか10cmの翼幅のハチドリによって、非定常な空力学は、翼によって攪拌される多くの、多くの小さな渦を解決するために数百万のメッシュ点が必要なほど複雑です ー 鳥は、本質的に渦の海の中を飛んでいます。そのため、効率的なアルゴリズムと高性能コンピューティングが、この仕事のために必要です。」とLuoは言った。

Luoと彼の同僚は、他の空中動作がどのように実行されるのかかを見るためにハチドリの彼らの研究を拡張することを計画している。生物学者が、飛行能力が時間をかけて異なる動物種に進化してきた術に興味を持っている一方、機械エンジニアは、人が作る飛行機へ彼らの情報を適応する事を願っている。