ヨーロッパ、オープン・サイエンス・コモンズを承認
Tiffany Trader

新しいヨーロッパベースのプロジェクトは、国境を跨ぐ研究基盤へのオープンなアクセスを容易にしようとしている。1月15日欧州グリッド基盤(EGI)は、EGIエンゲージ・プロジェクト(フルネーム:オープン・サイエンス・コモンズに向けた研究コミュニティの取り込み)が欧州委員会において15/15のスコアで成功裡の評価を受けた事を発表した。これにより、プロジェクトは2015年3月開始となり、2015年5月18〜22日にリスボンで行われるEGIカンファレンス2015で開始式が行われることとなった。
ヨーロッパ、米国およびアジアパシフィックの6カ国からの43のEGIエンゲージ・プロジェクトのパートナー達は、多くの分野の研究者達に研究目標をサポートする中で、デジタルサービス、データ、知識と専門技術への便利なアクセスを提供するために、オープン・サイエンス・コモンズ用のフレームワークで協調していく予定だ。EGIエンゲージ・プロジェクトのディレクターでEGI.euのテクニカルディレクターであるTiziana Ferrariによると、プロジェクトの主な目的は、「研究用の連合電子インフラストラクチャ·サービスのヨーロッパバックボーンの機能を拡張」することだ。
この試みの目的は、オープン・サイエンス・コモンズ(http://go.egi.eu/osc)の戦略を開発し洗練することであり、「デジタル研究への新しいアプローチ(政策課題への取り組み、知識創造と協調の新しいパラダイムとしてオープン。サイエンスの取り入れる)
」として出す事である。
「EGIエンゲージは、EGIのコミュニティでサービス指向の思考法を開発し、既存のユーザコミュニティを統合したEGIインスパイアの成果の上で成り立つ事になります。」とEGI評議会の議長であるMatthew Doveyは述べている。「このプロジェクトは、サービス、コミュニティ特有の仮想研究環境サービス、およびオープン・サイエンスとオープン・データを促進するグリッドとクラウド基盤の協調設計と協調開発を通して、研究コミュニティと研究電子基盤提供の間の橋渡しを提供する際により機敏であるように、私達の新しい戦略の施行を支援するのです。」
オープン・サイエンス・コモンズの提案書では、EGIは、「内部市場に基づいた世界にさらされている統一研究圏においては、研究者、科学的知識と技術は自由に回っており、それを通して連盟とそのメンバーである国は全体的に壮大な挑戦に対処するために、科学と技術のベース、競争性と能力を強化する。」と、理想的な欧州研究圏を強調している。
この文書では、このアプローチを含めて対処することができた多くの課題を特定している。
- 研究と電子インフラのロードマップの欠如または不完全性
- データや知識へのアクセスの断片化したソリューションと方針
- 公的部門と民間部門間の不十分な協力
- すべての利害関係者間の国内および欧州組織の欠如
- ITサービスのシングルポートフォリオの欠如/単一市場無しに多くのプロバイダー
EGIは望んでいる欧州研究領域をもたらすために、これらの障害を越えて移動する手段としてオープン·サイエンス·コモンズを想定している。この考え方はオープン・サイエンスの概念と結合しており、管理された方法で無差別のアクセスを提供するコミュニティ内で共有するプラットフォームであるコモンズを使って、知識創造の解放と利害関係者の大きな体への普及の優先順位付けている。
提案書に記述されているように、「オープン・サイエンス・コモンズはERAを機能させるために必要なすべての要素を包含するように求めている:研究データ、科学機器(大型ハドロン衝突型加速器やスクエア・キロメートル・アレイ電波望遠鏡のような)、ICTサービス(接続性、計算、プラットフォームおよびポータルのような研究特定サービス)、そして知識である。」包括的協調的フレームワークの実現を助けるのは、研究プロセスのデジタル化と科学コミュニティのグローバル化だ。
2014年11月に発表された論文でも、コミュニティに対し、欧州研究圏の実現を形成するように参加する招待を提供している。いくつもの世界地域を代表する43もの利害関係者とプロジェクトの開始の準備をすることは、非常に高い関心があることを示している。コンソーシアムのリーダーとしての役割の中において、EGI.euは補助金の合意を準備する使命を帯びている。
「EGIエンゲージは、EGIとナショナル・グリッド・サービスが科学者に提供するサービを改善し、ERAに提供するICT能力の技術的統合を促進するコミュニティ特有のパイロットを通して、欧州の電子インフラ・プロバイダーのコミュニティの中での結束を強化します。」とEGI.auのマネージングディレクターであるYannick Legréはコメントしている。「この新サービスとさらなる統合が、異なる領域の研究者達が技術的革新と優れた科学を創造するために、電子インフラから利益を得る事を意味しているのです。」