世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


2月 2, 2015

IARPA、脳に基づいたAIイニシアティブでパートナーを募集中

HPCwire Japan

Tiffany Trader

米国の情報当局者は、人間の脳のアルゴリズムをリバースエンジニアリングによって機械学習の進展を刺激するための5ヵ年計画を始動した。知能高等研究計画局(IARPA)は最近、皮質ネットワークからの人工知能(MICrONS)プログラムの一部として、ニューラルコンピューティングの理論を発展させる大きな可能性を持った革新的なソリューションを要求する提案を出した。国家情報の支援におけるハイリスク、ハイリターンな研究への資金調達で有名なこの機関は、最終的には脳のような性能と実力を持った合成システムの開発を容易にすることを見ている。

丁度幅広く発行された機関発表において、IARPAは、神経情報処理の基礎となる皮質計算の科学的な理解を高めるデータ科学や神経科学の交差点に、学際的なアプローチを育成するための戦略をレイアウトしている。神経のプロセスの後に機械学習アルゴリズムをモデリングする中で、多くの進展があったものの、脳ははるかにタスクの検出と認識をホストするために適している。

ソフトウェアと脳の性能ギャップを埋める決定打として、この機関は神経をほうふつさせる機械学習の新興研究領域を見ている。

「この数年以上に渡る機械学習における重要な進展にも関わらず、今日の最高水準のアルゴリズムは
もろくて、うまく一般化していません。」と提案書の著者は主張している。「これとは対照的に、脳はかなりのノイズと非線形の変化の面前でも、健全に信号を分離し分類することができ、ひとつの例から刺激のクラス全体を推定することができます。主要な機械学習アルゴリズムのアーキテクチャと脳の生物学的対応物との間で相応するものがあるにも関わらず、恐らくこの2つは動作の詳細部分でかなり異なっているので、ソフトウェアと脳のこの性能ギャップは持続しています。MICrONSプログラムは、高いレベルの脳の設計図に似ているだけでなく、皮質回路によって実行される特定の計算に由来する低レベル計算モジュールも使う合成システムを構築することができれば、大きな進展を機械学習において成し遂げることができるという概念に基づいています。」

MICrONSプログラムは3つの技術分野(TAS)から構成されている。

TA1 – 実験計画、理論的な神経科学、計算神経モデリング、機械学習、神経生理学的データ収集、およびデータ分析

TA2 – 神経解剖学的データの収集

TA3 – 神経解剖学的データによる皮質回路の再構成と関連する神経生理学と神経解剖学的データを使った神経回路再構成の保管、整列およびアクセスするための情報技術システムの開発

「このプログラムのコースを通して、これまで以上に能力がある神経派生型機械学習アルゴリズムを作るために、参加者は脳により使用される表現、変換、そして学習ルールの向上する自分たちの理解を使います。」とIARPAの提案書はさらに説明している。「MICrONSの最終の計算目標は、人間のような実力に狙いをつけて、ワンショット学習、教師なしクラスタリング、およびシーン分析のような複雑な情報処理タスクを実行する能力を持つことです。」

MICrONSは2015年9月から2020年9月まで実行される。各プログラムフェーズの科学的、技術的目的だけでなく各技術分野のメトリックの非常に包括的なセットの概要は70ページの勧誘書に詳述されている。[PDF]