サウジアラビア、スーパーコンピューティングのコミットメントを更新
Tiffany Trader

ジッダの北50マイルの紅海にあるサウジアラビアのアブダラ国王科学技術大学(KAUST)は、現行のシステムより25倍強力な新スーパーコンピュータの準備を進めている。オリジナルのShaheenの後継であるShaheen-2は、KAUSTの世界クラスの学術研究施設としての位置付けを再確認するスーパーコンピュータメーカーCrayとの8,000万ドルの契約の一部だ。
MITテクノロジー・レビューの記事によると、Shaheen-2はほぼ100トンの重量の特注のCray XC40システムである。特長として、DataWarpテクノロジー、Cray Sonexion 2000ストレージシステム、Cray階層型アダプティブ・ストレージ(TAS)、およびCray Urika-GDグラフ解析アプライアンスがある。このペタスケールマシンは、太陽光発電工学、バイオインフォマティクス、貯留モデリング、淡水化と気候予測を含む大学の主要な研究領域で利用される予定だ。また、新しいアルゴリズムやプログラミングモデルの探索のためのテストベッドとして、スーパーコンピューティング自体の領域を発展させるためにも利用される。
Shaheen-2はこの大学のオリジナルのスーパーコンピュータであるShaheenの後継である。IBM Blue Gene/Pスーパーコンピュータの購入は2009年のKAUSTの設立と同時で、育成している機関のプロフィールを上げ、科学の進歩のイネーブラーとしてHPCへのコミットメントを説明している。MITによると、最近の投資はこの大学のスーパーコンピューティングの合計費用を約1.5億ドルにしている。
2015年5月に計画されている最初のインストールは7.2ペタフロップスの理論最大性能を持った約20万プロセッサコアを搭載している。このシステムはまた、17.6ペタバイトのSonexion Lustreストレージと790テラバイトのメモリを持っている。2015年秋に予定されている拡張では、1テラバイト/秒以上の帯域幅を提供するDataWarpバーストバッファを追加する。2年の時点で追加される次世代プロセッサとアクセラレータのオプションもある。
インストールされた際には222テラフロップスの理論最大性能で16台のラックに収められたスーパーコンピュータであるオリジナルのShaheenは、中東では最強のコンピュータであり、世界の最高速スーパーコンピュータのTOP500リストでは14位のスポットを取っていた。過去5年間で、このマシンのランキングは335位に落ちた。Shaheen-2の獲得で、KAUSTは再び世界規模のスーパーコンピュータのオーナーとなる。もし今稼働しているとしたら、Shaheen-2は世界的に第9位のシステムとなる、とKAUSTのエクストリーム・コンピューティング・リサーチセンターのディレクターであるDavid Keyes教授は言及している。
より大きな状況においては、スーパーコンピューティングを含む技術への投資は、サウジアラビアの経済の多様化への道筋であり、石油の富を知識集約型経済への移行資金として使うことだ。つまり、オイル・ガス産業は、事業を拡大するためにKAUSTのスーパーコンピューティング・リソースを使うサウジアラムコやSABICのような企業があるこの地域における、HPCの継続的主要ユーザであるということだ。
Shaheem-2の来るインストールと共に、KAUSTのコンピュータ・電気・数理科学・工学(CEMSE)部門は、エクストリーム・スケールでのコンピュータ・シミュレーションおよびデータ解析の教員を探している。
KAUSTのCEMSE部門は「通信、同期およびストレージにおける削減を通して、スケール時の高い電力効率とアルゴリズムベースの耐障害性を持った新しいアーキテクチャのための数値アルゴリズム」の開発をサポートする資格のある候補者を求めた通知を出した。
この部門の現在の優先分野:
- ハイパフォーマンス·コンピューティング·パラダイム、技術およびソフトウェアツール
- ハイパフォーマンス・コンピューティング·システムと性能解析
- エクストリームスケール分析のためのアルゴリズム
- エクストリームスケール・シミュレーションのためのアルゴリズム
- エクストリームスケール分析とシミュレーションをリンクするアプリケーション