DARPA、新しい計算パラダイムを模索
Tiffany Trader 「興味深い時代を生きますように」と昔からの諺は警告している。コンピュータチップが微細化の根本的な限界に直面するように、本当に今は面白い時代だ。科学コミュニティが直面する最重要課題のひとつは、複雑な物理システムを理解するために必要な大規模シミュレーション処理を今日の最高のコンピュータができないことだ。 「過去半世紀の間、スーパーコンピュータが高速に、そしてより強力になるにつれて、このようなシミュレーションはさらに正確で便利になってきました。」と、国防高等研究計画局(DARPA)は述べている。「しかしながら最近は、最高のコンピュータ・アーキテクチャでさえ、非常に複雑な設計の最適化と関連する問題を扱うために必要とされる一種のシミュレーション処理能力の要求に追い付かなくなってきたのです。」 この状況を改善するために、DARPAは科学計算を支える複雑な数学計算を高速化する方法に関するアイデアを探しているのだ。特に、偏微分方程式として知られている方程式のクラスの支援を探している。これらの方程式は、運動、拡散および平衡の基本的な物理原則を説明しており、物理パラメータの広い範囲に渡る連続的な変化率を伴う。これらは、個々のCPUで解くように別々のパートに簡単に分けることができない問題である。 「問題の特定の部分に対処するように個々にプログラムされる複数の中央処理装置(CPU)を備えた標準的なコンピュータクラスタは、複雑な流体力学やプラズマのような大規模シミュレーションの中核において、この種の方程式を解くように設計されていません。」とDARPAの国防科学部のプログラムマネージャであるVincent Tangは述べている。 「このような方程式用に特別に設計されたプロセッサであれば、設計、予測、および発見において革新的な新しいシミュレーション能力を可能にするでしょう。しかし、そんなプロセッサはどんなものなのでしょうか?」とDARPAの招待を望んでいる。 デジタル時代の前は、方程式は不連続な計測の代わりに連続的に変化する値を操作するアナログ形式で問題を解いていた。アナログ・コンピュータは100年以上前に遡るが、トランジスタベースのデジタルコンピュータが1950年代および1960年代に突出してきた際に、その幅広い問題を解く能力によって置き換えられたのだ。 特に、マイクロ電気機械システム、光学エンジニアリング、微少流体技術、メタマテリアル、そしてDNAコンピューティングにおいてでさえ作られてきた先進性を与える「複雑で、同時で、局所的に相互作用し、そして非線形現象によって支配されるシステム」の効率的シミュレーション用のアナログ基板を使って、他を見る良い時であるとDARPAは提案している。もし性能の利点が十分に大きければ、アナログ・コプロセッサはヘテロ・コンピューティングにおいて次の大きな物になるかもしれない。 RFIは、演算性能における現在の障壁を克服する可能性がある新たな処理パラダイムを求めている – アナログ、デジタル、またはハイブリッドなアプローチはすべて歓迎される。 発表内容から: RFIは、単独または組み合わせで、次のニーズに対応する短い回答を求めている:
- 科学シミュレーションにおいて頻繁に遭遇する計算タスクの高速化用のコプロセッサにおいて、物理的に生成することができる、スケーラブル、制御可能かつ測定可能なプロセス
- フォンノイマン型CPU/GPU処理アーキテクチャと比較して、時間、空間、および通信複雑性を減少させるためのアナログ、非線形、非連続、もしくは連続的に変化する計算プリミティブを使うアルゴリズム
- システムアーキテクチャ、スケジューラ、ハイブリッドおよび特殊集積回路、コンピュータ言語、プログラミング・モデル、コントローラ設計、およびマルチ・ハイブリッド・コプロセッサの中の効率的な問題の分解、メモリアクセス、およびタスク配分のためのその他の要素
- 直接的な物理アナロジーを介したモデリングおよびシミュレーション方法
- これらの領域を超えた技術開発は、RFIの目標をサポートするものと見なされる。
- DARPAは、上記分野におけるその先の技術や、複雑な非線形システムの計算上の扱いやすさを改善する可能性のある他の技術の開発を支援をする従来にない貢献者に興味がある。
DARPAの資料招請(RFI) は - 効率的科学シミュレーションのためのアナログおよび連続可変コプロセッサ(ACCESS)と題された – http://go.usa.gov/3CV43で見ることができる。応募は2015年4月14日で締め切られた。