HPCアプライアンスがエンジニアリングの生産性向上を狙う
Tiffany Trader

ANSYS、LenovoとOCFは、英国のエンジニアリング・コミュニティに向けたターンキーのHPCアプライアンスを提供するために力を合わせてきた。プラグアンドプレイのアプライアンスは、計算流体力学(CFD)シミュレーションを実行するように設計されており、エンジニアリング・シミュレーション・ソフトウェアのスペシャリストであるANSYS、ハードウェアベンダーのLenovoおよびハイパフォーマンス・クラスタのインテグレータであるOCFによるユニークなパートナーシップの結果だ。
このANSYS CFD用のアプライアンスは、固定されたヘッドノード、シャーシ、メモリ、最新のインテルプロセッサおよび固定されたスイッチで事前に構築されている。それらは構成され、ANSYSソフトウェアとケジューリング・ソフトウェアで試験されており、スムーズなインストールが保証されている。ブレード・アーキテクチャの採用で、顧客ニーズに応じて簡単に拡張できるようになっている。
OCFによると、2台のデュアル・ソケットのLenovo NeXtScale計算ノードであるポートフォリオの最小オプションでさえ、殆どのワークステーションの2倍の演算性能を提供し、そしてインテリジェントなスケジューリングが休みなくジョブを実行することで、エンジニアリングの生産性は容易にワークステーション1台の6倍に達することができるそうだ。アプライアンスはこのシステムインテグレーターが完全にサポートしてくれるので、顧客はスケジューラ、ネットワークやマイナーなディスク障害が起きた際にはカバーされる。
それが理由で企業は自分でクラスタ構築するよりアプライアンスを選択するのだ。
「このソリューションのメリットはたくさんのアーキテクチャ的決定が顧客のためにすでに成されていることです。」とOGFのAndy DeanはHPCwireに電子メールの中で語った。「例えば:どんなネットワークが必要なのか? システム管理のためにどんなソフトウェアを使えばいいのか? どのスケジューラを使えばいいのか? どのプロセッサにすればいいのか? ローカルにスクラッチディスクははいるのか? OCFはLenovoおよびANSYSと一緒に、ユーザビリティ/性能およびコストの最善の組み合わせを提供するシステムを構築するためにこれらの決定を行いました。」
「そして、事前にラッキングとケーブリングをシステムに行い、ベースのソフトウェアをインストールし、最終的に顧客の環境とワークフローを組み込む用意ができた状態にした状態で配送できるように、この環境をインハウスで構築します。-顧客が自分で箱の荷物を購入して独自のシステムを構築するのと比較して、購入から最初のシミュレーションまでの時間を劇的に短縮するのです。」
クラスタがエンジニアリング・コードに提供するスケーラビリティは、顧客がもっと大きく、もっと複雑なシミュレーションを実行できたり、もっと多くのシミュレーションを実行できることを意味している。最終的に、これはもっと良い製品設計や、市場へのより迅速な提供をリードするのだ。多くのANSYSの顧客が数台のワークステーションでジョブを実行しようとしているが、ベストな経験はしていないと、Deanは報告している。
「クラスタリングが複雑で、ほとんどのANSYSユーザはエンジニアですが、ITやHPCのエンジニアではないのです。」と彼は付け加えた。「ですので、このパートナーシップはHPCのエクスパート(OCF/LENOVO)が、これらのHPCプロジェクトがより良いシミュレーションや製品につながる成功となることを確認することになっています。」
彼らの理想的な顧客のビジョンについて尋ねると、製品開発にシミュレーションを使う産業は「ポテトチップから車」まで全ての領域で動かしている、とDeanは説明している。「なのでどの産業でもです。」と述べた。「しかし、一般的なルールとして、顧客が所属するところで4-6台のワークステーション(もしくはもっと)をシミュレーションに使っている場合には、sじANSYS用のLenovoソリューションのようなHPCシステムを使う潜在的メリットを少なくとも考慮すべきです。これはただの一般的なルールです。- 私は一人で大規模で複雑なシミュレーションの要求がある人に会ったことがあります。」
価格に関しては、システムのサイズと選択するソフトウェアによるそうだ。「ある顧客はANSYS Mechanicalを使いますし、他はCFDコードだったりします。そして、潜在的顧客が持つシミュレーションのサイズや複雑度の違いはとても大きいのです。」とDeanは説明した。「5千から1万ポンドのサーバという数字と比較した場合、小規模のクラスタの場合でも3万から4万ポンド以上というのは、それは大きな投資です。しかし、いくつものエンジニアリング企業が試行のために購入し、彼らのシミュレーションの要件のトップになっていとに驚くことでしょう。そして、実現可能な効率の潜在的改善は、シミュレーションのヘビーユーザにとって魅力的なビジネスケースを提供しているのです。」