世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


6月 16, 2015

ブラジルでは石油・ガスのワークロードがスーパーコンピューティングを牽引

HPCwire Japan

Tiffany Trader

国際的な探査と生産を行っている企業であるBG Brasilは、この地域の「地震データ処理に革命を起こす」ことが期待されるSGIのスーパーコンピュータの始動で、ラテンアメリカのスーパーコンピューティングのプロファイルを向上させている。先日BG BrasilとSenai CIMATECは、地元のアフリカ系ブラジル人の神にちなんだ「CIMATEC Yemoja」と名付けられた新しいマシンを正式に受け入れ、合計2千万ドルの投資を含むプログラム計算における世界クラスのセンターを一緒に登場させた。

バイーア州の産業連合との共同でBGグループによって設計されたこの400テラフロップス(LINPACK) SGI ICE Xクラスタは、ブラジルのバイーア州サルバドールのSenai CEIMATEC産業革新スーパーコンピューティング・センターにインストールされている。システムはBGの研究開発プログラムの主要なマイルストーンであり、石油ガス分野の地震波イメージングやモデリングのような地球物理学を中心としており、もっと具体的にはブラジルの大陸棚の石油が豊富なプレソルト層の開発だ。独立系エネルギーアナリストは、このプレソルト回収可能石油・天然ガスの埋蔵量の合計は、石油換算で500億バレル以上があると予測しており、これはブラジルの現在の国家埋蔵量である150億バレルの3.5倍である。

「プレソルト層の複雑性はますます革新的なソリューションを模索することを後押ししているのです。」とBGサウスアメリカのCEOであるNelson Silvaは公式声明で述べている。「スーパーコンピュータはこの努力の一部であり、石油ガス産業における我々の日々の活動を支援してくれるでしょう。我々の目標はブラジルにおいて技術革新を擁護し、技術的にローカルなコンテンツをベースとした競争性をグローバルに推進することです。」

Nelsonは以前、「国の利益と一致するブラジルの石油ガス産業におけるユニークな機会」とこのプロジェクトを特徴付けている。

プロジェクト参加者は、国際インバージョン・イニシアティブ・コンソーシアムの旗の下で一緒に参加しており、工業規模の3Dおよび4D地震波データ処理の原理のひとつである全波形インバージョン(FWI)を最適化する能力を提供している。BG Brasilが率いるこのコンソーシアムは、ノルテリオグランデ連邦大学)UFRN)、ブリティッシュコロンビア大学およびインペリアルカレッッジ・ロンドン校を含んでいる。

「このプロジェクトはブラジルにおける革新的な環境を示しており、グローバルな意味の研究パートナーシップを刺激しています。」とBGグループのCTOであるRick Mooreは表明している。「このスーパーコンピュータはBGと主要な大学の件キュグループに、石油貯留層イメージングおよびデータ処理の主な業界の課題を解決するための戦略的インフラを与えるものです。これはANP(連邦と州の資金提供)との協力における研究開発課税と通して可能となりました。」

時間とともにヘテロなシステムは増加しているが、近年発表される多くの石油ガスのマシンはいまだストレートなx86クラスタである。これはBGとCIMATECには当てはまらず、彼らのSGI ICE XシステムはIntel Xeon E5-2690V2(10コア)プロセッサばかりでなくPhiも搭載している。このマシンは17,200 CPUコアを持っており、毎秒18ギガバイトのI/Oを持つ2ペタバイトを越えるディスク・ストレージを持ち、FDR InfiniBandで接続されている。CIMATEC Yemojaは現時点ではラテンアメリカにおける最高速のシステムであり、TOP500スーパーコンピュータでは124位にランキンされている。

「SGIは地域の革新的エコシステムを作るためにSENAIとパートナーシップを結ぶ事を喜んでいます。」とSGIのCEOであるJorge Titingerは語った。「私どものシステムを装備することで、研究者が高度に洗練された解析と地震波データの可視化ができるようになり、それは石油およびエネルギー探査に直接的なメリットをもたらすでしょう。」