アルゴンヌのチーム、エンジン・シミュレーションの不確実性に取り組む
Tiffany Trader

デジタル時代に深く頭を突っ込むにつれ、コンピュータは核部品からパーソナルケア製品に渡るすべてにおいて、物理システムの設計や試験作業の大きなシェアを持っている。エンジンの設計はもうひとつ重要なものだが、計算モデルから恩恵を受けている非常に複雑なアプリケーションだ。
燃焼機関の性能を最適化するために、化学モデルが計算機シミュレーションに組み込まれている。これらのシミュレーションは数百万の変数を組込んでおり、広範囲な不確実性解析を必要とする。アルゴンヌの仮想エンジン研究所と燃料イニシアティブ(VERIFI)によって公表されたばかりのシミュレーション・プロジェクトは、この不確実性を解決すrためにアルゴンヌのMiraスーパーコンピュータの6千万計算コア時間を利用する。
これはVERIFIのための前例のない計算パワーへのアクセスのレベルであり、それ自体を「不確実性解析を持った高忠実度で、3次元の、エンドツーエンドの燃焼機関シミュレーション/可視化、および同時伝動機構と燃料シミュレーションにフォーカスする世界における最初で唯一のソース」として説明している。
ラボの広報官であるGreg Cunninghamが最近の投稿で説明しているように、VERIFIは変数(シリンダおよびピストンの温度、シリンダ内の圧力、燃料の流量を含む)の複雑な相互作用に関連した不確実性を払拭することを課されており、このようにもっと効率的なエンジン・シミュレーションの方法を確立するのだ。
Miraは10ペタフロップスのIBM Blue Gene/Qシステムで現在TOP500ランキングの世界第5位のスーパーコンピュータである。これはこのプロジェクトにおける計算能力の大きなステップアップを表しており、参加者達はこの増強された能力が最終的により良い燃焼モデルの開発を助けると期待している。さらに強力なハードウェアによって、アルゴンヌのチームは単一の変数評価から、すべての変数が性能や排出量のような目標を達成するためにいかに相互作用するかを探索できるようになるのだ。これらの変数を解決するには約百万の計算を必要とすると考えられている。
「これは先駆的な仕事をなる可能性があります。それは誰もこれらの境界条件、モデルのパラメータや詳細レベルでの不確実性をまだ本当には理解しようとしていないからです。」とアルゴンヌの交通研究所センターの主任メカニカル・エンジニアで主任研究員のSibendu Somは述べている。「これらの疑問を解決するためには、このタイプの計算リソースへのアクセスが正に必要なのです。」
Cunninghamは、このプロジェクトの主な焦点は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特性を持ったガソリン圧縮エンジンの新世代を可能にすることだと書いている。この種のエンジンは、ディーゼルが使っているのと同じ方法で燃料に点火するのに低温度で圧縮を行うことが注目すべきことだ。全体的な目的はさらに効率的なエンジンを設計することを容易にすることなのだ。
VERIGIの他の仕事と同じように、この研究は自動車メーカーやエンジン設計者が新しい燃料効率や排出量を満たすのを短時間で低い投資でできるように助けるためのものだ。研究者は米国エネルギー省エネルギー効率および再生エネルギー局の自動車技術局が資金提供しており、この研究の成果は公開される。知見はまたCONVERGEエンジン・シミュレーション・ソフトウェアに組み込まれ、Convergent Science社から提供される。