ExaScaler社、新たなブリック構成でZettaScaler-1.5を発表。Xeon、ディスクさらにGPGPUの搭載も可能に。
株式会社ExaScalerは、米国テキサス州オースチンで開催されているSC15において、これまで「PEZY-SC Node Brick」のみであったBrickの種類を拡張し、16個のXeonを搭載できる「Multi-Xeon Server Brick」と、24台の3.5 inch HDDと24台の2.5 inch SSDを同時に搭載できる「Storage Node SH Brick」を加えて、これら任意のBrickを任意のBrick数で組み合わせて構成できる、新世代の液浸冷却システム「ZettaScaler-1.5(ゼタスケーラー1.5)」を開発して発表し、現地で展示を行っている。

今後3か月以内を目途に、更にZettaScaler-1.5には8台の任意のフルサイズGPGPUと4個のXeonを搭載可能な「GPGPU Node Brick」が追加される。これら4種類の多目的Brickを、同じ液浸冷却槽内で利用可能とすることで、液浸冷却システムの可能性が大幅に拡がるとのことだ。その結果として、ZettaScaler-1.5はHPC用途からCloud Server用途、更にはデーターセンタ用途までを柔軟にカバーする、汎用の液浸冷却プラットフォームとなるとしている。
ExaScalerの液浸冷却システムの特徴である、開放系システムによる保守性の高さ、高密度実装による小型化、リーク電流減少と各種電源の変換効率の上昇による低消費電力化、低温運用による故障率とエラー率の低下、電子部品寿命の大幅な延長、温度管理の容易さ、冷却系故障時の緩やかな温度上昇などの広範な優位性を、汎用プラットフォームであるZettaScaler-1.5を通して、広い領域において提供するとしている。
ExaScalerの代表取締役会長の齊藤元章氏は、以下の様に述べている。
「初めての独自スーパーコンピュータを、液浸冷却システムとして短期間で開発して発表しましたSC14から、早くも1年が経過しようとしています。ちょうどその1年後となるSC15に併せて、ExaScalerの新世代の液浸冷却プラットフォームである「ZettaScaler-1.5」を、SC15が開催されるテキサス州オースチンの現地会場でお披露目出来ることとなり、感慨深いものがあります。
ExaScalerで開発してきました液浸冷却システムは、これまでは姉妹会社であるPEZY Computingが開発した、消費電力効率に優れた独自の大規模MIMDメニーコアプロセッサである「PEZY-SC」を用いたものであり、液浸冷却の多くの優位性との組合せにより、世界最高の消費電力性能と超小型のシステム構成を実現して参りました。しかしながら、PEZY-SCはまだ限られたコミュニティとユーザーのみに限定的に使用されているプロセッサであるため、液浸冷却の優位性を限られた方々にしかお届けできておりませんでした。今回、HPC市場とサーバ市場で数多くのユーザーを有するIntel社製Xeon E5-2600シリーズをサポートした「Multi-Xeon Server Brick」と、2.5 inch SSDと3.5 inch HDDをそれぞれ24台ずつ搭載することで、最大で288TBの容量を実現可能な「Storage Node SH Brick」を開発し、更にはこれらの各Brick専用ではなく、全ての種類のBrickを合計で16本まで、任意の数と構成で搭載可能とすることが出来る新世代の液浸槽を同時に開発致しました。これらの総体としてのプラットフォームである「ZettaScaler-1.5」を通して、はるかに多くのユーザーの方々に、液浸冷却システムの様々な優位性を享受して頂けるものと期待を致しております。」
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SC15の展示会場でのZetta-Scalerと齊藤元章代表取締役会長 |