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12月 27, 2016

極地研、北極の気象観測で日本の寒波予測の精度を向上

HPCwire Japan

国立極地研究所の佐藤和敏特任研究員、猪上淳准教授、海洋研究開発機構の山崎哲研究員を中心とする国際研究グループは、2015年2月の日本と北米東岸をそれぞれ襲った寒波の事例について調べた。その結果、北極海周辺の高層気象観測の頻度を増やし、冬季北極海域での研究船を用いた特別高層気象観測を行うと、予測の精度が向上することがわかったとのことだ。これは、観測を増やすことで、冬季に北極海の上空で発達する寒気の中心部分(極渦)を、より正確に把握できるようになり、天気予報の計算に用いられる初期場(初期の大気状態)が大きく改善されるためとのことだ。

対象とした事例は、日本に大雪をもたらした2015年2月9日と、北米東岸が大寒波に見舞われた2月16日。予測実験は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」で行われた。


ソース:国立極地研究所