世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


11月 21, 2013

Deep Blue、ハリウッドへ向かう

HPCwire Japan

Tiffany Trader

10年半以上前にIBM Watsonは、Jeopardyクイズショーで楽々と相手を倒した。そしてDeep Blueと呼ばれるIBMのコンピュータが世界チャンピオンとして君臨するGarry Kasparovに対してチェスの試合で勝利した最初のマシンとなった。Deep Blueとチェス名人Kasparovの間の1997年の歴史的なチェスの試合は、コンピューティングのため、そしてIBMのためだけの大きな成果よりも、国全体の誇りの源となった。

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今、この有名なイベントは、銀幕の上に記憶されている。Deadlineでのレポートとして、Disneyは、運命的な試合の野心的な脚色をしたMatthew Charmanの演劇、The Machineの映画化の権利を取得した。Charmanは、シナリオを書くために採用され、Mandeville Filmがそれを制作する予定だ。

The Machineは、IBMのDeep Blueとその設計者のHsu博士を片側に、そしてロシアのチェス名人Garry Kasparovを反対側に向かい合わせた1997年のチェスの試合を物語る。演劇は、7月にマンチェスター国際フェスティバルの一環として開かれ、米国での初演はニューヨークのPark Avenue Armoryで9月に披露された。

WatsonのJeopardyへの出演と同様に、Deep Blueの戦いがTV放映された。劇は、この放送でKasparovとHsu率いるDeep Blueプロジェクトの両方の登場に回想がちりばめられた様を描写する。

Deep Blueは、実際Kasparovに対する最初の対戦で敗北していた。君臨するチェスチャンピオンは1996年2月に4対2のスコアでDeep Blueを打ち負かした。少し時が流れ、1997年5月に、強力にアップグレードされた「Deeper Blue」が再戦のために戻った。それは接戦だったが、最終的にDeep Blueは決定戦と試合に勝利した。最終スコアは、3 1/2対2 1/2。Kasparovは再戦を要求したが、要求は受け入れられなかった。

Deep Blueが引退して暫くたつが、IBMは、2012年5月11日にスーパーコンピュータの15周年を記念し、歴史的な成果を祝うためのサイトを作った。

「Deep Blueがチェスの複雑で戦略的なゲームを解決するためにプログラムされた非常に強力なコンピュータでした。」とサイト上にメッセージが掲げられている。「しかし、Deep Blueの背後にあるIBMの目標は、遥かに壮大な挑戦でした – それは、研究者が超並列計算処理と高性能コンピューティングの限界を発見し、理解することが出来た事です。」