ALTAMIRA、スペインの大学での科学的発見を加速
Alex Woodie

スペイン北部のカンタブリア大学の研究者は、2012年に大学に設置された新しい80テラフロップスのスーパーコンピュータクラスタ、ALTAMIRAを活用し始めた。IBM製のこのシステムは、スペイン最大級のひとつであり、大学の研究者が天体物理学、物理学、医学、そして気候変動を含む様々なフィールドの探究に役立つことだろう。
ALTAMIRAは、大学とスペイン国立研究協議会(CSIC)が共同設立した共同研究センター、カンタブリア物理学研究所に設置されている。「カンタブリア大学は、常にいくつかの高度に専門的な分野のプロジェクトを発掘し、サポートすることで、欧州全域での科学の進歩を推進することを約束している。そのために、我々は我々の研究のように先進的な計算インフラを必要とする。」とカンタブリア物理学研究所のCSIC研究者、ヘスス・マルコ・デ・ルーカス、は、IBMによるALTAMIRAでの実装上のケーススタディについて語った。
ALTAMIRAは、大学の保有する4TFLOPSのHPCリソースをリプレースし、宇宙空間の巨大なマップの処理、海洋の波と津波のシミュレーション、新しい素粒子の探索、テーラーメイド医療の開発支援等を含む、モデルシステムや様々な分野での発見に求められる特別なコンピューティング能力を提供する。
INNOCAMPUS国家イニシアチブによって資金提供を受けたクラスタは、大学のCSIC研究者によって利用される。計画では、金融、電気通信、エネルギー分野を含むカンタブリア地域の科学技術パークに本社を置く企業のみならず外部企業をもALMATAへと取り込む予定である。
「カンタブリア地域には、エネルギーの分配と消費に強い興味を持つ機関が幾つかあるが、カンタブリア大学は、彼らにエネルギー使用を最適化する方法について理解を深める機会を与えたかった。」 とデ・ルーカスは、ケーススタディの中で述べている。システムは、また他のヨーロッパ諸国で行われる研究を支援するために使用される予定である。
ALTAMIRAが、地域の病院のために、大量のヒトゲノムのデータを処理することも考えられうることである。大学は、バルデシラのマーカス大学病院のテーラーメイド医療の試みをサポートする予定である。「我々の以前のITシステムは、研究プロジェクトの極端な要求要件をサポートするのに十分強力でなかった。」と、デ・ルーカスはケーススタディで述べている。
ALTAMIRAは、BladeCenterおよびSystem xサーバノードに3,840個のIntel Xeonコアを分散配置して、さらに各種のIBMストレージサーバを組み合わせて構成されたIBM iDataPlexクラスタである。クラスタは、InfiniBand FDRインターコネクト、GPFSファイルシステムを使用し、Scientific Linuxオペレーティングシステムによって動作する。
クラスタは、2012年6月にデビューし、74.4TFLOPSの実効性能と79.9TFLOPSのピーク性能を有し、Top 500リストで358番目にリストされ、以来、500番目に96.6TFLOPSシステムがリストされるまでTop 500リストから除外されなかった。他方、ALTAMIRAのエネルギー消費量は、79.76キロワットであり、Top Greenリストで最もエネルギー効率の良いHPCシステムとしての地位を獲得するには十分であった。