中国のスーパーコンピュータ計画をのぞき見
Nicole Hemsoth

我々は2020年のタイムフレームにおける日本のエクサスケール計画をさらに学んだが、エクサスケール級の計算レベルに最初に到達する候補リストに中国もある。しかし今のことろ、この国は2015年以降もリストの独占を続ける狙いを持っているようだ。
この話とさらに大規模なエクサスケール・コンピューティングの動きをコンテキストとすると、合衆国とヨーロッパは両方ともこのレベルの計算に達するのは2020年代初頭を予測している。しかしながら、重大な投資と技術革新無しに、アジアは強力な足場を持っている。昨年劇的に他のマシンを打ち負かした1位のTianhe-2システムで開始し、日本のライバルに対して境界を押し上げ続けるだろう。
国際的な前線におけるエクサスケールの波の変化は多くにとっては驚きにはならない、一方で地球上の現在の疑いもないトップのスーパーコンピュータの未来への姿であるTianhe-2は、2015年に到来する野心的なアップグレードサイクルによって現在の54.9ペタフロップス(アナウンスされた時には記録的となった)から100ペタフロップスになる。
これは浮動小数点演算の領域を広げる注目すべき功績であるが、これまでのところ、演算能力の構造を強化する新たな驚天動地のテクノロジーは見えていない。しかし、この初期の時点で我々が何度も言うように、詳細はまだ見えていない。
このアップグレードにおいて予測されているように、Tianhe-2は第二段階のステージに入ってくる。この1年、開発計画が記載された際には、どれくらい問題点が発生するかは不明であった。名前は変更しないと予想されており、初期の詳細から我々が見える範囲によると、Xeon Phi/XeonやFT-1500のアプローチを破棄またはリプレースするのに対して、リフレッシュまたはアップグレードとなるようであるため、調整または取り付けというものではない。
我々が最後にこのシステムを見てから時間が経っているため、参考のために以下に詳細があり、中国が100ペタフロップスへの道筋を設定している変化の比較が示されている。プロセッサの横の#記号は現在のシステム上の数量が記されている。
最近1月の日本での親密なBDECイベントにおいて、中国の国立国防技術大学(トップシステムのサイト)のYutong Lu博士は、Tianhe-2の将来計画の垣間見として、何が期待されているかについて詳細を述べた。詳細は多くは無かったが、このシステムは次世代のKnight’s Landingを使う可能性が非常に高い。(これはインテルやNUDTに確認された訳ではないが、すでにPhiシステムであり、次世代のものは浮動小数点演算が倍以上になる計画であるし、新しい独自のアーキテクチャへのリプレースはなさそうであり、これが自然な推測であるようだ。)
もし確認されていない詳細(それ以外に、どこに面白みがあるのか)で精神的な数学をしたければ、最新のKnight’s Landingは約3倍の高速化を提供することを考えて欲しい。48,000のPhiカードを交換すると、何が持てるだろうか?100ペタフロップス以上で動作する、一方で、インテルでは拳を打ち付けながら、「しかし、まだ詳細はリリースしてないのに!」と言うだろう。もう十分だろう。ここで推測は終わる。
上の図を見ると、小さなFT-1500プロセッサ(Galaxy)は単にフロントエンド・プロセッサとそいて使われており、浮動小数点演算能力を倍増することに関する主要な役割は演じないようだ。さらに、この改良への付加的な回答になるかもしれない唯一の他のプロセッサ・オプションはShenwei(40位のBlueLightマシンで見れる)だが、16コア・プロセッサではないようだし、今年予測されるアップグレードサイクル後(第4世代に入る)においてさえも、その程度の高速化しか提供できないようだ。
Tianhe-2の高速化の本当の裏話は、Luが名前のアップグレード(TH-express+2と現在は呼ばれている)を言及したおそらくカスタムTH-expressインターコネクト周辺であるだろう。それが2倍の高速化を意味するのかどうかは不明だ。繰り返すが、我々はできるだけ早く詳細が分かり次第レポートする。
中国はまた、エクサスケール研究プログラムの最初の段階の作業を熱心に行っており、これはワット当り30ギガフロップスをターゲットとする先進的で実現可能なアーキテクチャ」を作成するゴールを持っている、とLuは語る。
中国のエクサスケールと継続的なHPCへの投資のための現在の資金は、エクストリーム・スケールな科学計算のために必要とされる基本的アルゴリズムとメニーコア並列プログラミング技術の開発に集中している。また、ネットワークベースの研究環境の面での限界を押し上げる追加の資金も注いでいる。
CNGridサービス環境を強固なものにすることと、中国広東省の国立深圳スーパーコンピューティングセンターのペタスケールのXeon/GPUであるNebulaeの運用を継続するのに加えて、この国は資金調達上のキーアイテムとしてShenweiプロセッサをまだ熱心に研究開発している。
次世代のアプリケーションは、核融合、航空機設計、宇宙、材料科学、創薬、アニメーション、「巨大エンジニアリング機器のメカニクス」および電磁環境シミュレーションに焦点をあてるように設定されている。
また、中国は主要な目標領域としてビッグデータにも焦点をあてていおり、「ハイブリッド・メモリ管理ポリシー」を誇る大規模インメモリ・計算システムに重点を置いている。ターゲットとなるアプリケーション領域は、ワトソンのような認知コンピューティングへの挑戦に取り組むように、困難問題に対し「ヒューマノイド・アンサー」を提供することに焦点をあてる。
ベンダーやセンターからの確認と言う点ではまだ早い段階だが、いつものように、確認が取れ次第、詳細についてお届けします。