オクラホマ大学は商用Linuxによって生産性を向上
Alex Woodie

オープンソース・ソフトウェアの平等主義の性質は、アイデアの限りない流れを重視する学術機関に、きわめてマッチするものである。このために、合衆国全体にわたる大学で、Linuxの無料版はとても人気がある。しかし、オクラホマ大学は、運用中のHPCとビジネスワークロードについて、フルサポートのRed Hat Enterprise Linuxを選んだ。
オクラホマ大学は、2002年からRed Hat Linuxを使っている。Supercomputing Center for Education & Research (OSCER) は、未来の政府につながる最近の話題のひとつとして、Pentium 4 Xeonクラスタにコミュニティー版のRed Hat Linux を使っていた。
2007年にLinuxの利用が広がった際に、大学のIT部門は、Sun製のSolarisとSPARCから離れてPeopleSoft (訳注:2005年にOracleに買収されたソフトハウス) エンタープライズアプリケーションと大学のウェブサイトを含むコアアプリケーションを、移行するプロジェクトを開始した。Sunのハードウェアとソフトウェアのサポートの費用がかさむことが、最大の理由であった。オクラホマ大学IT部門に所属するITアナリストのエリオット・ロバートソン氏は語った。
その時、OSCERはLinux環境のサポートに少し苦労していた。エンタープライズ・アプリケーションがLinuxに移行されつつあったので、PeopleSoftアプリケーション、大学が実装していた新しい Sungard Higher Education Banner、そして、スーパーコンピューターを含む、オクラホマ大学の全IT部門が、Red Hat Enterpriseディストリビューションを選ぶ決断をした。
OSCERの運用マネージャーであるブランドン・ジョージ氏は語った。「我々は、商用クラスのサポートから得られる利点を必要としていた。すなわち、Red Hat Enterprise Linux ディストリビューションカーネルのすべてのパッチである。」
現在、オクラホマ大学の、Peoplesoft 、Sunggardアプリケーションは、Dell PowerEdge サーバー上で、Red Hat Enterprise Linux 環境で動作している。IT部門は、最小限のオペレーターと管理者によって、業務継続性を上げるためのOracle Real ApplicationCluster (RAC) を含む、200台以上の Red Hat Linux サーバを管理している。
さらに、大学の個々の部門が、LAMP (Linux、Apache、MySQL、PHP) を使えるようにしている。OSの主要な保守をRed Hatに依頼することによって、OSCERのIT部門は、研究と、HPCアプリケーションの開発に、より多くの時間を割けるようになった。ヘンリー・ネーマン博士は語った。
「原則として、我々は全てを一から作り上げることもできた。それは、集中的で大きな仕事である。そのようにした機関の一部分は非常に成功している。しかし、実際には、それが意味するものは、我々のユーザの生産性をあげるためのサポート時間がないということでもある。」と、ヘンリー・ネーマン博士は事例研究で語った。「我々は無限の予算を持っているわけではない。技術の選択は、バランスとトレードオフを意味する。」