Blue Watersがアルツハイマー病遺伝学に挑む
Chelsea Lang

現代の医学と衛生の進歩のおかげで、人間は長生きでき、一般的に健康な生活を送っているが、長寿の恩恵には、アルツハイマー病を発症するリスクが伴う。85歳以上のアメリカ人の3人に1人が、この不可逆で進行性の脳疾患を患っている。それが65歳以上の人々の5番目の死亡原因である。
治療法の発見が最も重要であることは明らかだが、今までに開発されたどの薬物も、この病気を元に戻したり進行を止めたりできていない。根本的な原因はまだ十分に明確に理解されていないが、研究の努力は、スーパーコンピューターの力を利用して、状況を変えようとしている。NSFの支援を受けて、Mayoクリニックの研究者らは、Blue Watersスーパーコンピューターを使って、この病気の根源について洞察を得ようとしている。すなわち、私たちの遺伝子である。
関係の鍵となる遺伝子を特定して、Mayoクリニックの研究チームは、脳機能障害を引き起こす遺伝子やタンパク質を理解したいと考えている。また、アルツハイマー病のリスクの最大80%を占めると推定される遺伝子、疾患またはその予防に関連しているDNA上の場所を見つけることは、治癒のための次のステップへ進むために不可欠である可能性がある。
合衆国科学財団(NSF)からの、研究に関する最近の報告によると、Mayoクリニックの研究者のひとりであるMariet Allen氏は、明確な関連があるにもかかわらず、研究者が、これまで全体の遺伝子地図を見ていないことに注意している。彼女は、遅発性アルツハイマー病 (LOAD) についての遺伝子リスクのわずか40%のみが、現時点で理解されていると、推測している。
Allen氏によると、「私たちの研究の目標は、この知識のギャップに対処することです。既存のデータに加えて、Blue Watersという計算機資源を使えることによって、私たちはユニークな立場にいます。」
National Center for Supercomputing Applications (NCSA) にある Blue Waters 、持続してペタスケールの能力があるマシンによって、チームは、アルツハイマー病に関連している約14,000の遺伝子を分析した。
チームの調査結果についての詳細は、NSFの研究報告記事にある。また、チームは、2014年5月のBlue Watersシンポジウムで進捗状況を発表した。