シンガポールの研究者、優れた衝撃波モデルを構築
Alex Woodie

流体全体に渡って正確な衝撃波の流れをモデル化することは困難である。正確な計算へ導こうと問題に対処すると、さらに悪い結果をもたらす。現在、A*STAR Institute of High Performance Computing (IHPC) の研究者は、全体の正確さのより高いレベルで乱流をモデル化する革新的な方法を生み出した。
多くの分野の科学者と同様に、計算流体力学分野の研究者は、実験の特定の必要性に適合するようにモデルを変えることに慣れている。科学者は、新しい仮説を低次の近似で試し、低いレベルの正確さしか得られないかもしれない。また、高次のモデルを使って、現実の条件に近い正確さと一致を得るかもしれない。同時に、より多くのデータを方程式へ入れるために、三次元計算メッシュを諦めるかもしれない。
彼らはより高次のモデルがよりよい結果をもたらすと仮定するかもしれないが、衝撃波をモデリングするとなるとそうはならない、とIHPCのビン・タン・グエン氏が説明するように衝撃波は例外である。
「高次の近似を使う流体シミュレーションは、振動を引き起こし、流れが不連続である衝撃波の先頭に誤算を引き起こす」と、グエン氏はPhys.orgに語った。「したがって、衝撃領域の正しい近似のために、高次の近似は逆効果になる。」
グエン氏と彼らのチームは、センサーを使って衝撃波が面していると解った所で、モデルの精度を下げ (de-tune)、低次の近似を使い、この問題に対処している。彼らは、低次の近似で失われたものを補うために、3次元計算格子の解像度を上げた。
グエン氏は結果を Phis.org に説明した。「衝撃波センサーによる正確な検出によって、その強さにかかわらず、衝撃波を扱う正しい方法を適用できる。」「我々の格子適合手順は、同時に、衝撃波領域で格子を細かくし、変化が少ない領域で格子を粗くすることにより、かなり計算コストを下げている。」
新しい技術は、特定の流れの問題にのみ有効であった以前の方法の改良であり、どんなに高速な衝撃波のモデル化にも適用できる。この試みには、航空力学と突風の分野での現実の応用問題が、想定されている。研究者によれば、この計算スキーマは、空気と水の相互作用のシミュレーションに役立ち、海洋産業に応用できるであろう。
IHPCは、Agency for Sciense, Technology and Research (A*STAR) の元で、1998年4月に設立された。この組織は、科学技術の進歩のために、計算モデリング、シミュレーションと可視化ツールを推進している。