世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


8月 9, 2013

トランジスタの潜在的突破口に科学者はマグネタイトを検討

HPCwire Japan

Alex Woodie

コンピューター・チップが年々、速くなったように、チップ設計者は、シリコンによって課せられた性能限界を超えることを期待して、ヒ素の結晶を含む魅力的な半導体材料で実験を行った。 これは、地球上の一般的な磁性鉱物はすべて発見されていて、スイッチング速度が潜在的な1,000倍高速な古き良きマグネタイトを利用していたことに可能性があることが判明したためである。

エネルギー省のSLAC国立加速器研究所が実施したマグネタイトを用いた実験では、何年もハードディスクやアナログテープにデータを記録してきた鉱物に幾つかの驚くべき特徴を発見した。

ディスカバリーニュースのウェブサイトのストーリーによると、SLAC施設での実験では、科学者たちは、電子が導電性または非導電性のどちらかになることに起因するレーザーでマグネタイトの一部を撮影した 。

導電率の小さな領域もまた、生成された絶縁特性を持つ地域に囲まれていた。 そしてマグネタイトは、その後どのくらい素速くマグネタイトが導通状態から非導通状態に移る事が出来るのか決めて、そしてそれらを切り替えるとともにどのような分子の形態になるのかを確かめるため、短いX線パルスを照射した。

その結果によれば、スイッチを作るために1秒の10億分の1の10億分の1要する。その速度の種類は、毎秒1兆回の計算を行うマグタイトベースのトランジスタの能力に変換すると、最大毎秒10億回の範囲で計算を行うシリコンベースのトランジスタより1,000倍以上良好である。

研究者たちは、6月24日付けのNature誌に「マグネタイトにおける絶縁体 – 金属転移の速度限界」と題する記事で調査結果を発表した。

数年間に渡り半導体を備えたマグネタイトの活用可能性に関する多くの研究がある。 SLACの研究者によって運ばれた大きな突破口は、絶縁体金属転移の正確なメカニズムの証明である、と研究者は彼らの論文の序論で言う。

マグネタイトのトランジスタがいつでもすぐに家電やスーパーコンピュータで彼等の手法が道を作ることを期待してはいけない。 エンジニアは知識を活用することができる前に求められる非常に多くの研究がある。こと始めに、SLAC施設で行われた実験は、華氏マイナス310度に冷却した。 その冷却のレベルは、今日最も冷やされたデータセンターの能力を超えた方法である。

さらにマグネタイトも将来のトランジスタのためのベストな選択ではないかもしれない。 実験ではマグネタイト内でのスイッチングのための「速度制限」を確立するが、しかしそれは他の酸化物がマグネタイトよりも良い特性を示す、あるいはそれ以上の商業的に成功しうる可能性もありうる。

それにもかかわらず、研究は、シリコン絶縁体によって課された制限による抑制が無い事を示し、そしてその新たな半導体材料は、演算スループットの大きな増加がもたらす可能性がある。 何がエクサスケールシステムを超えることを可能にするのかを探しているコンピュータ科学者にとって、それは潜在的に非常に大きな手段である。