世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


1月 18, 2024

バイドゥが量子から撤退、アリババの動きに追随か

HPCwire Japan

John Russell オリジナル記事「Baidu Exits Quantum, Closely Following Alibaba’s Earlier Move

ロイターは、中国の巨大電子商取引・サービスプロバイダーであるバイドゥが、量子コンピューティング開発の分野から撤退すると報じた。ロイターは、「中国のバイドゥは、量子コンピューティングの研究所と設備を、政府が支援する北京量子情報科学院(BAQIS)に寄付する予定であると、同社の広報担当者が水曜日に語った 」と報じた。

バイドゥの量子放棄は、11月のアリババの同様の動きに続くものだ。アリババは、巨大eコマース/クラウドプロバイダーの中では比較的早くから量子コンピューティング研究に参入し、その取り組みをアリババの研究組織DAMOアカデミーに置いていた。アリババはこの取り組みに150億ドル規模を投資したとの報道もある。先のロイターの報道によると、約30人の従業員が解雇され、浙江省で彼らの職を見つけるための努力が行われているという。

別紙のSouth Morning China Postは、「昨年3月、バイドゥとBAQISは共同で、国内初の量子コンピューティング知的財産(IP)アライアンスを立ち上げた。量子コンピューティングは、基礎物理学の原理を利用して、従来のコンピュータでは複雑すぎる問題を解決する新しい科学分野である。」と報じている

バイドゥとアリババの突然の量子撤退の原因については、さまざまな意見がある。例えばアリババは、より広範な市場と焦点に苦闘してきた。AIの研究開発やビジネスの問題にもっと注力していると言われていた。バイドゥとアリババの両社が、政府の厳しい管理下にある学術機関に機器を寄贈しているという事実は、中国の政策が量子コンピューティングと関連科学の開発をより厳しく管理する方向にシフトしている可能性も示唆している。

ロイター通信へのリンク、https://www.reuters.com/technology/baidu-donate-quantum-computing-lab-equipment-beijing-institute-2024-01-03/

SMCPレポートへのリンク、https://www.scmp.com/tech/tech-trends/article/3247255/chinese-search-engine-giant-baidu-donate-quantum-computing-facility-state-backed-lab-similar-move