世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


12月 21, 2015

インテルの次世代ハイパフォーマンス・コンピューティング・アーキテクチャ

HPCwire Japan

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HPCインフラの将来を調査している企業や研究センターは、インテルからの新しい設計思想に注目している。インテル社はインテル®スケーラブルシステムフレームワーク(インテル®SSF)が、バランスのとれ電力効率が良く信頼性が高いのみならず、幅広いワークロードを実行することができるHPCシステムのための新しいアーキテクチャの方向であると述べている。彼らのアプローチは、HPC、ビッグデータ、機械学習、および視覚化のワークロードをサポートするために必要なシステムアーキテクチャをひとつに収束させることを意図してる。それにはクラウドにおけるHPCも当然含まれている。これにより多くのユーザーがHPCリソースを利用できるようになり、その結果発見と洞察に向けた大きな機会を創出することができる。

ハードウェアの観点からは、インテルSSFは、システム設計者、システム構築者およびユーザーが何年にもわたって戦ってきた伝統的なパフォーマンスのボトルネック、いわゆるパワー、メモリ、ストレージそしてI / Oの壁を排除するように設計されている。新しい方向性は、HPCシステム開発・構築の課題である、計算、メモリ/ストレージ、ファブリック/通信、ソフトウェアに対処する事に焦点を当てている。具体的には次の三つのアプローチを通じて、より全体的な方法を取っている。1)画期的な技術、2)これらの技術を組み立てる新しいアーキテクチャ的アプローチ、3)システムの最大の可能性を引き出す事が出来る汎用的かつ結合的なHPCシステム・ソフトウェア・スタックの集合。

今日のHPC課題の解決

インテルSSFは、インテル®オムニパスアーキテクチャー(インテル®OPA)のような新しい技術を組み合わせ、インテル®Xeon®プロセッサー、インテル®XeonPhi™プロセッサ、インテル®エンタープライズ版Lustre*ソフトウェアなどの既存のプロセッサーおよびストレージ製品を組み込んでいく。同社によると、データの移動を改善する革新的な技術を開発中であるとのことである。しかし、彼らの新たな方向性は上記の障壁を克服するために設計された技術を超えている。彼らは、非常に効率的で可用性に富むインフラストラクチャを作成するために、コンポーネントおよびシステムレベルの双方でその技術をしっかりと統合させている。このレベルでの統合の成果の一つが、ノードとシステム全体でどこまでスケーリングできるかという事だ。その結果は、基本的にメモリピラミッドの重心を上げ、メモリピラミッドを大きくする事で、高速でより効率的なデータ移動が可能になるということである。

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インテル®SSFにおけるシステムレベルの統合によるデータの移動を改善 インテル社提供

ソフトウェアのコミュニティを通じてのHPCへの貢献

インテルは、HPCのために画期的なハードウェアを提供するのみならず、ソフトウェアのコミュニティがHPCの活用をより簡単に行える様に様々な支援を行っている。インテルは30社以上の企業とともにOpenHPC共同プロジェクト(www.openhpc.community)の設立に参画した。それは、包括的かつ結合的なオープンソースHPCソフトウェアスタックの開発に焦点を当てた新しいコミュニティ主導の組織である。HPCシステムを構築・開発した経験のある人なら、それが個々のコンポーネントを統合し、HPCソフトウェアスタック総体を検証するというとてつもない挑戦である事を知っている。それは、数多くのコードを維持・管理し、迅速なリリースサイクルを常に把握し、ユーザーからの付加ソフトウェアパッケージとの互換性要求に対処するなどの後方支援作業でもある。多くのユーザーやシステムメーカーが独自のスタックを作成・維持する限り、エコシステム全体から見れば膨大な重複作業と非効率が存在する。 OpenHPCは、これらの問題を最小限に抑え、エコシステム全体の効率を改善を目指している。

エクサスケールへの基盤

エクサフロップス時代(あるいはAuroraシステムの目標である180ペタフロップス)に到達するためにスーパーコンピュータの世界で実現すべき事はまだまだ沢山あるが、インテルSSFの旗の下に新しいファブリック、ストレージそしてソフトウェアを統合するというインテルのアプローチは、エクサスケールコンピューティング・アーキテクチャの基盤形成に向けて正しい方向にあると思われる。