DOE、スパコンベースの材料設計に16百万ドルを投資
John Russell
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ORNLの機能性材料予測シミュレーションセンターのディレクターであるPaul Kent | |
米国エネルギー省が、「スーパーコンピュータを通した」新しい材料の設計を加速するために、次の4年間に1千6百万ドルを投資すると発表し、材料科学は後押しを得ることとなった。このプログラムは最終的にはエクサスケール・マシンで実行することを目指す着眼点でソフトウェアの開発にフォーカスするものだ。
2つの4カ年プロジェクト(オークリッジ国立研究所(ORNL)が率いるチームと、ローレンスバークレー国立研究所(LBNL)が率いるチーム)は、代替および再生可能エネルギー、エレクトロニクスや様々な分野におけるアプリケーションのための根本的に新しい機能性材料を設計するためのソフトウェアを開発するものだ。
この助成金は、米国材料ゲノムイニシアティブの一環として2015年に始まったDOEの計算材料科学(CMS)プログラムの一部であり、原子および分子スケールでの物質の挙動をモデル化およびシミュレートするためのハイパフォーマンス・コンピュータの増加する能力を反映している。
発表によると、研究者らは、バークレー研究所の国立エネルギー研究科学計算センター(NERSC)に現在インストール中である30ペタフロップスのCoriスーパーコンピュータ、オークリッジ・リーダーシップ計算施設(OLCF)の27ペタフロップスのTitan、およびアルゴンヌ・リーダーシップ計算施設(ALCF)の10ペタフロップスのMiraスーパーコンピュータを利用することが予定されている、とDOEは報告している。また、2016年から2019年にインストールが予定されている、ピーク性能が最大200ペタフロップスの新世代マシンを活用することができるように期待されている。
「ORNLの研究者は、国立研究者や大学の科学者達と協力して、特異な磁性を持つ量子材料の物性、光学特性、およびエネルギー・アプリケーションにそれらをよく適合させる外来の量子相を正確に予測するためのソフトウェアを開発するのです。」と、アルゴンヌ、ローレンスリバモア、オークリッジ、サンディア国立研究所とノースカロライナ州立大学およびカリフォルニア大学バークレー校をパートナーとして含むORNLの機能性材料予測シミュレーションセンターのディレクターであるPaul Kentは述べている。「我々のシミュレーションは、DOEのスーパーコンピュータ・センターの現在のペタスケールと将来のエクサスケール能力に依存しているのです。」
究極的には、これらのプロジェクトで作られたソフトウェアは、1,000ペタフロップスの能力を持ち2020年代中頃にインストールが計画されているエクサスケール・マシン上で実行するように進化することが期待されている。発表の詳細はこちらから。http://newscenter.lbl.gov/2016/08/16/energy-department-invest-16-million-computer-design-materials/