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9月 23, 2016

マイクロンとインテル、3D XPointメモリを打ち上げ

HPCwire Japan

George Leopold

マイクロン・テクノロジー社は、先日のフラッシュ・メモリ・サミットにおいて、インテル社と共同で開発した3D XPointメモリ技術の新製品ラインをソリッドステーツドライブでその技術を披露しつつ発表を行った。

マイクロン社は同社のQuantx製品ラインにおいて、PCI Express(PCIe)のSSD性能が少なくとも読み込み遅延で10マイクロ秒以下で書き込み遅延で20マイクロ秒以下の性能を提供すると主張している。このチップメーカーが主張するには、これはNANDフラッシュベースのSSDよりも10倍良いということだ。一方で、8個のPCIeチャネル上で動作するSSDは190万IOPSに達すると同社は報告している。

マイクロン社は「低キュー深度のワークロード」を含んだ、クラウドにおける不揮発性メモリ技術、データ解析、オンライントランザクション処理、モノのインターネット、およびモバイル・アプリケーションをターゲットとしている。また、「巨大グラフツリーの横断」における性能の改善というブログ投稿で主張している。

このチップメーカーは3D XPoint技術をベースした新メモリ製品を12ヶ月以内に発表すると予定している。この発表によって「エコシステムがその製品を前進させ、採用を推進させる必要がある」とマイクロンのMichael Abrahamは指摘している。「これは最終製品を設計し、コントローラを可能とし構築し、そして最終製品を市場に向けるパートナーを選ぶことを含んでいます。」

一方インテルは、3D XPointメモリ技術をベースとしたそのOptane SSDもまた2016年末までに市場に投入すると先月述べている。4月に、インテルは2Gb/秒の速度で動作するOptane SSDを披露している。スピードの改良と共に、パートナー達はXPointメモリプラットフォームが現在のNANDフラッシュ技術よりも耐久性があるだけでなく、DRAMに比べて永続データ用の記憶密度において10倍あることを潜在的なエンタープライズの顧客に説得させることを望んでいる。

どちらの会社も特定の価格情報を公開はしていないが、インテルはXPoint製品が現在のフラッシュ・メモリ製品と同等の価格で提供することができることをほのめかしている。SSDのOptane製品はインテル独自のコントラーラを使用すると報告されている。

マイクロンは現在、非公開のストレージベンダーと製品へのXPointアプローチの組み込みで協力していると述べている。6ヶ月から9ヶ月以内にストレージパートナーについて発表する予定であると、Abrahamは語っている。

このパートナーは演算能力により近い高速な持続ストレージを提供する能力を持っており、モノのインターネットのような分野において新しいシステム・アーキテクチャやアプリケーションを作りだすことに賭けている。

昨年7月にこれらのパートナー達によって公表された3D XPointメモリ技術は、新素材と3次元「クロスポイント」アーキテクチャをベースとしており、不揮発性メモリ速度の1,000倍の速度を提供すると言われている。インテルとマイクロンはセル密度を最大化する積層「メモリグリッド」を開発した。この「クロスポイント・アーキテクチャ」は各メモリセルへのアクセスを提供し、トランジスタの必要性を排除している。

このアーキテクチャはメモリセルの中に、ワードおよびビット・ラインの交点に配置された「3次元チェッカーボード」を作る。この高密度構成はメモリセルが個々にアドレスされることを可能にしている。そのため、データは小さいチャンクに読み書きされることができ、読み書きプロセスを高速化している、両社は述べている。