5月 8, 2017
小惑星カリクローを取り巻くさざ波の環の実スケールシミュレーションに成功
京都女子大学(論文発表時は筑波大学)の道越秀吾氏と国立天文台の小久保英一郎氏はスーパーコンピュータ「アテルイ」を用いて、遠い小惑星カリクローの周囲に存在する環の実スケール大域シミュレーションに初めて成功した。このような環全体を計算対象とし、粒子の自己重力を考慮した実スケールシミュレーションは土星の環においても行われておらず世界初の試み。シミュレーションから環の物質がカリクロー本体に比べて軽い物質からできていることがわかった。さらに環には粒子の重力によってさざ波のような構造が生じ、環の寿命が従来推定されていたよりも非常に短くなる可能性があることが分かった。これらの成果は,カリクローの環の起源や進化を解明する鍵となる。
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ソース:国立天文台