世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


12月 4, 2013

GPUと空飛ぶ蛇のミステリー

HPCwire Japan

Tiffany Trader

「飛ぶ蛇」なんて聞いた事がある?インドや東南アジアの熱帯雨林に生息している足の無い爬虫類が相当の距離を舞い上がる。どうやってこの偉業を成し遂げるのか、長い間研究者を悩ませてきた。

驚くべき飛行技術の研究はこれまで難しかったが、今回初めての科学者がGPU加速計算機を使用して、21メーターの距離まで滑空してジャングルの上層を舞い上がるヘビの空力要因を解析した。

科学者達は東アジアの熱帯雨林に固有の飛ぶヘビの一種であるChrysopelia paradisi(パラダイストビヘビ)の解剖学的に正確な断面の空力特性に関する新たな詳細を明らかにする論文を発表した。

ヘビは空中移動に独自の方法を持っている、と著者は書いている。ヘビは木の枝からジャンプすると、体を平らにして滑空するために左右にうねらせる。研究チームは滑空中にヘビの体の断面の形状がどのように揚力を発生させるのかに特に興味があった。

チームはTesla K20 GPU加速計算機と特別に開発したCFDアプリケーションを組み合わせて、飛ぶヘビの二次元計算モデルを解析した。さらに、現実世界の物理モデルでの実験を、回流水槽中で3次元プリンタの造形物を使用して行った。

この計算モデルにより、風洞の所見を確認されたが、それは最も有利な揚力が35度の仰角ー空気流に対する蛇の軌跡ーで発生示するというものだった。

「過去の実験ではレイノルズ数が異なっても、同じ仰角で揚力が増大する。」と述べている著者は、この矛盾は2Dモデルの限界に起因すると考えている。研究チームは次のステップとして、GPUを追加してヘビの3Dモデルでの解析を行う予定である。