NASAの地球科学データがAWS上で利用可能に
Tiffany Trader

米航空宇宙局(NASA)とAmazon Webサービスは、研究者がデータにアクセスし、地球科学データを処理することが簡単かつより効率的な方法を提供するために力を合わせてきた。NASA Earth Exchang(NEX)によって生成された気候と地球科学の大規模な衛星データのコレクションは現在、AWSクラウドを通じて、研究と教育のユーザーだけでなく、市民科学者も自由に利用できるようになる。新しいプロジェクトは、OpenNEXと呼ばれる。
AWSブロガー兼チーフエバンジェリストのJeff Barrは、「これまでは、研究者にとって、その動的な性質と巨大なサイズ(数十テラバイト)のためこのデータへ容易にアクセスすることは物資的にも困難でした。ダウンロードバンド幅、ローカルストレージ、および要求される処理能力の限界が社内処理を非現実的なものとしていました。」と書いている。
初期のコレクションは3つのNASA NEXデータセット、20TB分以上のデータ、に加えてAmazon Machine Images(AMI)およびチュートリアルが含まれている。データセットは、AWSのパブリックデータセットのプログラムの一環として、Amazon S3の中に格納されている。NASAは、すぐにAWS上でどのようにサービスを使い、どのようにデータセットを処理するかについて詳細説明を行う仮想ワークショップを追加していく予定だ。
ここでは、各プロジェクトの簡単な説明をする:
- 気候評価のためのデータ – NASA Earth Exchangeのダウンスケール気候予測は、連続したアメリカの48州についての高分解能で、バイアス補正された気候変動の予測を提供する。研究者たちは、より細かい規模での気候変化と気候条件に関する局所的な地形の影響に敏感なプロセスに対する気候変動の影響を評価するためにそのデータを使用することができる。
- Landsat Global Land Survey – 米国地質調査所で開発されたLandsatは、40年間に渡る地球の陸地の最も長い既存の連続した空間ベースの記録である。Landsatは、農業、地質学、林業、地域計画、教育、マッピングおよび気候変動でのアプリケーションがある。また、緊急時や災害救援活動のためのリソースとして機能する。
- MODIS Vegetation Indies – NASAのTerraとAqua衛星上の中分解能撮像分光放射計(MODIS)からの1〜2日毎の地球表面の全体像を提供している。潜在的なアプリケーションとして、グローバルな生物地球化学と水文学的モデリング、農業の監視と予測、土地利用計画、土地被覆特性評価、土地被覆変化の検出が含まれる。
NASA Earth Exchange (NEX)は、カリフォルニア州モフェットフィールドのNASA Ames研究センターのNASA高度スーパーコンピュータ施設の研究プラットフォームである。NEXは、先進的スーパーコンピューティング、地球システムモデリング、ワークフロー管理およびNASAのリモートセンシングデータを結集し、ユーザーが大規模な地球科学データセットを探索し、分析することを可能とし、モデリングアルゴリズムの実行と共有を行い、新規または既存のプロジェクトと協力して、結果を共有する。
OpenNEXイニシアチブは、オバマ政権のオープンデータ大統領令に沿って開かれた科学をサポートするために、クラウドプラットフォームを使用してNASAの伝統を受け継いでいる。
「私たちは、重要な環境研究の問題を解決するのに役立つことができる研究者や開発者のエコシステムの成長に興奮しています。」とNEXプロジェクトの主任科学者、Rama Nemaniは報告する。「私たちの目標は、人々が簡単にアクセスし、他者の利益のために知識とオープンソースツールを追加するためにAWSを介して素早く多くのデータ解析サービスを利用できることです。」