AMD、HPCへの投資作業を開始
Nicode Hemsoth

比較的最近まで、AMDは、スーパーコンピュータのTop500のリストの明確な勢力であり、特にOpteronプロセッサは、かつて2007年のリストではおおよそ108システムで使用され、Intelのx86-64資金の流出を起させた。
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ここ最近の定例のTop500のリストにおいて、Opteronのシェアは、同社サーバービジネスユニットのGM、アンドリュー・フェルドマンが特にAPU、インターコネクトや電力効率化の面で秀逸な技術があると言っているにも拘らず下降線を辿っている。
変化を強調するために、我々は、AMDが2003年にOpteronを発表した以降の毎年6月のTop500のリストのOpteronシェアの数値に基づいて検証した。 下記の図から観て取れるように、Opteronのシェアは明らかに2008年がピークであり、以降下降線を辿っているが、特に2013年のTop500パイチャートにおいてIntelの80%比率と比較すると顕著である。
全Opteron世代に渡り下記の図表では、一定の高いポイントを示しているが、Intel Xeon Phi投入とその組合せ効果やNVIDIAから幾つかの新たな性能面での革新性、および数々の強力なARM系プロセッサの潜在能力等、次回11月のTop500リストでこのグラフが更新される際に、どれだけ急激な減少が起こるのか予言するのは困難だ。
幾つかのシステムが新しいOpteronを手にするまで、小規模なCrayコンポーネントの製品回収があった事も思い出されるが、それは極めて網羅的な事柄であり、演算性能や取引上の異なるシステムであることは考慮されていない・・・もちろん、Cray XC30はIntelのみなので、除外されるべきだろうが。ポイントは、減少傾向にある、ことである。
今週行われたフェルドマンとの会話で我々は、率直にAMDはHPC市場にどのように投資しているのかと尋ねた – 私たちはISCで何年ぶりかにAMDの人に尋ねることを望んだが、AMDは直接会おうとはしなかった。AMDは、HPCが彼等の全体的なビジネスにおいて少ないシェアである事を認めたが、それは依然として重要なものであり、かつ特に利益性の高い市場では電力効率と性能を要求しており、APUの継続的開発のためのターゲットでもある。
フェルドマンは、彼等がHPCオプションに注力している幾つかの重要な分野を指摘した。学会や研究は言うに及ばず、彼等のAPUのホットエリアは、石油・ガスと政府関係、正確には「3文字の機関」、の両方にあると述べた。
「我々が産業界のスーパーコンピューティング・ユーザが何を探しているかを見てみると、それはドル当たりの計算をより多く提供する能力です。そして、より優れたワット当たりの計算能力です。Top500かGreen500を見ると、それはそれぞれの製品の馬力についてでは無く、それはどれだけ多くのものを一つに結合させ、どのように仕事を分配し、そしてどのような配置アルゴリズムでそれを行うか、という事です。」
「空港で記録されているすべての人々のことについて考えてみると、最近NSAやその作戦について何かが出て来たとしても、全ての顔認識処理が行われており、そのどこかで我々のAPUが光を放つ場所があるのかも知れません。政府は、彼等が必要とする性能を満足する電力効率に優れたアーキテクチャを探しています。」とフェルドマンは述べている。
パターン認識、ログ解析や他の類似の収集・探索の処理は、いずれにしても、それは必要最低限なハードウェアで行われているかのように大規模データ解析の領域で多くの欠落を生じているように思える。言い換えれば、これは、そのような問題に取り組むために突如として現れたHadoop、MapReduceやその他多くの新しいフレームワークと理想的に適合する。
政府がデータマイニングの最前線で行っていることが実際にHPCかどうか尋ねられた時、性能を絞り出すためにMPIや他の幾つかの技術を使用していると、彼は述べた。 石油・ガス産業は、標準的なHPC領域であるが、しかし、フェルドマンの論議した内容の多くは「ビッグデータ」パラダイムにより多くのものが該当するということであった。これは理にかなっていることであり、何故なら彼等のロードマップは、その範囲を広げているからである・・・Opteronプロセッサは、HPCアプリケーションのために特別では無いと、微妙にXeon Phiという事実をほのめかしつつ、彼はそれを思い起こさせた。彼等はOpteronで大きな市場を開拓し、さらにARMコアを搭載したダイ上にフリーダム・ファブリック(フェルドマンが陣頭指揮を執った会社、SeaMicroが由来)を築くため、シアトルプロジェクトを継続的に推し進めている。
フェルドマンは、2014年第1四半期に世に出ると予想される、現在はシアトルと呼ばれるARMコアのダイ上にフリーダム・ファブリックを移植するためのプロジェクトをHPCコミュニティが受け入れる事を確信している。彼は、彼等の違いはファブリックにあり、特に小さい(が、より効率的な)コアへの移植に特徴がある、と述べている。I/Oオーバーヘッドの課題に関しては、ディスクや他のコンポーネントは除去できないため、インターコネコトがより重要になる。
フェルドマンは、AMDはIntelに追随しようとはしていない、彼等はそれらのまわりで正当な革新を起そうとしている、と述べた。さらに、それは未だ大量生産には至っていない数多くのファブリック購入者(QLogicやAries)のため、Intelに「追いつくため」のゲームではない、とフェルドマンと述べている。
注釈として、彼は、もしIntelがそれらのファブリックを指定して管理した場合でも、彼等は再び、スーパーコンピューティング市場に関連している、と言い、彼等の事業とロードマップの「極めて控えめな」の部分である、と述べている。AMDは、新しいチップを作成することに注力しており、それはスーパーコンピューティングの聴衆を惹きつけるが、一方、現存する企業としての生存性を維持することでもある。
そして、どういうわけか、彼は一度も「ビッグデータ」のフレーズを発声することなく全てを語った。そして、感謝しますと。
フェルドマンは、少なくとも彼等が追い求めている企業や大きな政府のユーザは、「処理の前後でCPUのDRAMとGPUのDRAMの間でデータ移動をさせなくてはならない、もしくは、CUDAや同様なものによって記述する非常に複雑なソフトウェア・システムを作成しようとするような、ユーザが最善を尽くして作業しなくてはならない「GPUアレイ」を欲しがっていない。」と言う。彼は、「グラフィックス機能を持つ単一プロセッサで、より伝統的な計算処理が行え、両方が同じDRAMにアクセスすることが可能なもの」、そしてより単純なプログラミング・モデルを持つもの、所謂HSA(Heterogeneous System Architecture)のようなもの、にユーザのニーズがあると断言する。
問題は、AMDがHSAについてのこのメッセージを公言していないことにあると、フェルドマンは同意して述べた。そして、それは残念な事に、少なくともCでコードを書く事が出来る人達にとって、基礎がおそらくそれほど大きく無いにも係らず、OpenCLやCUDAよりはるかに簡単に書く事ができるのだから、と言っている。
繰り返しになるが、目標は、NVIDIAのGPUとIntelのXeon Phiが狙っているよりも、遥かに広い市場のユーザにアピールすることである。しかし、フェルドマンは、市場の拡大は、彼等が穴をすり抜けてHPCを回避するという意味ではないことも保証した。
「我々は、我々のフリーダム・ファブリックのようなクラス最高のファブリックと業界最高のAPUを作り出す我々の能力を組み合わせることは、HPC市場に有意義かつ直接的な影響を与えるでしょう。」 フェルドマンは、パイの健全な塊に対してかなり薄いスライスではあるが、との注釈も加えた。