世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


2月 28, 2014

日本メーカー、スーパーコンピューティングに接近

HPCwire Japan

Tiffany Trader

アイデアを現実化する技術とスリルのための純粋な情熱を超えて、高度なコンピューティングに投資するのには常に実用的な根拠がある。スーパーコンピュータや他の計算技術が経済競争力を強化し、ほぼすべての学術界、産業界と政府の指導者が受け入れているという考えがある。スーパーコンピュータがより強力になると伴に、メーカーはプロセスにおける時間とお金を節約し、より大きく、より複雑なモデルを実行することができる。
日本では、メーカーは、競争に対する援助を得るために、日本の理化学研究所に設置された10 Petaflopsの京スーパーコンピュータのような国家最速のスーパーコンピュータをますます訪れている。日経アジアレビューでの詳細記事として、日本のビジネスや研究機関は、京コンピュータや同等の強力なコンピューティングマシンの潜在能力を活用するベストな方法を模索している。数年以内に結果が得られることが期待されるいくつかのプロジェクトが今そこにある。

京のために開発されたソフトウェアは、次世代製品の設計を支援するために自動車メーカーのトヨタ自動車とスズキ自動車、タイヤメーカーのブリヂストンで使用されている。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより、メーカーが本格的な物理設計を構築することなく、それらのプロトタイピングのニーズを満たすことを可能にする。デジタルアプローチはコストと時間の浪費を削減するだけでなく、キーボードを僅かにクリックするだけで新しいアイデアを試みることができるような、大きな技術革新を可能にする。物理フォーマットで多数の設計パラメータをテストすることは、経済的または時間的な観点からただ実現可能ではないだろう。

北海道大学の協力を得て13社の専門家のチームによって開発されたソフトウェアは、23億要素の格子点としての車の周りの空間を解釈することによって、車によって作られた空気抵抗をシミュレートする。コンピュータシミュレーションは、どのように空気の動きが異なる運転条件(例えば強い横風の通過車両)によって影響されるのかを反映する。

デジタルモデリングは、エンジニアが最も空力的な形状を決定すること可能にする。低い風の抵抗は、車がより低燃費でより高い操作性を持つことを可能にする。以前は、自動車メーカーが大規模な風洞を建設し、本格的なモデルを使用して走行テストを行わなければならなかった。スーパーコンピュータは、高価な物理試験の必要性を最小限に抑えることができる。京のエンジニアによると、以前は物理モックアップで検出されないはずだった欠陥でさえ見つけることができる。

自動車産業に加えて、日本は造船分野へスーパーコンピューティングの活動を拡大している。空気の流れをシミュレートする代わりに、日本造船技術センターによって開発された設計ソフトウェアは、船の動きがどのように1mmもの小さな水の乱流を作るのかを見せる。造船会社が巨大タンクの実際のフローティングモデルのテストを控えることができることにより、このような船舶の設計コストは最大50%低減することができる。

富士通=理研の京スーパーコンピュータはまた、材料科学と薬学研究で発見のより速いペースを可能にするために使用されている。京システムについての主要なユーザーベースは、大学や研究室である一方、割り当てプロセスを管理する高度情報科学技術研究機構(RIST)も業界関係の数を維持させている。RISTは、京を使用するプロジェクトのために2014年度中に42のアプリケーションを受け入れ、2012年の27から増加した。
今後、日本の文部科学省は2020年までに京よりも100倍速い、エクサスケールスーパーコンピュータの開発に取り組んでいる。