日本の将来のエクサスケール・システムの詳細が明らかに
Nicole Hemsoth

福岡でのビッグデータとエクストリーム・コンピューティング会議が最近終了した。グローバルコミュニティでのエクサスケール・イニシアティブに向けた国際的な進捗について多くの情報が得られた。
ホスト国として日本は、この国の最初のエクサスケール・システムとなる京コンピュータの次の実現化を構築する多くの研究者を会する十分な機会を持った – 2019年にインストールされ、2020年には全速力のプロダクションが期待されている13億8千万ドルの事業で、既に開始されている。
文部科学省計算科学技術推進室の川口 悦生氏によって出されたロードマップによれば、将来のシステムのための基礎開発はソフトウェア、アクセラレータ、プロセッサおよび科学なプロジェクト企画で迅速に動いてる。富士通、日立および日本電気がシステムおよびサポートを提供する主なベンダーとなり、東京大学、筑波大学、東京工業大学、東北大学、そしてもちろん京コンピュータと次期システムの将来のハブとなる理化学研究所の技術スタッフも加わる。
前のトップシステムであるオリジナル「京」のパワーを増強する能力にちなんで「ポスト京」と呼ばれている。エクサスケール・システムのタイムラインは計画として公表されている – 追加の研究ノート(下記に要約)で初期開発とシステム/スタック設計の様々な経過を強調している。
日本は「ポスト京」が解決するであろういくつもの潜在的な問題に目標を定めている。より安全な自動車の開発、副作用が緩和または低減する薬の発展、自然災害のより良い予測と対応、そしてより良いバッテリの開発、新材料を使った電子デバイスの創成、そして数(千)段上がる銀河シミュレーションを実行する拡張能力のような特定のプロジェクトだ。
もちろん、すべてを合理的なコストで行うには、いくつもの重要な革新を行う必要がある。
ポスト「京」を構築する部品の背景で、筑波大学計算科学研究センター所属で理研の「京」コンピュータでプログラミング環境研究チームのリーダーを務めている佐藤三久博士を含む、何人かのキー研究者が詳細を共有している。
彼の仕事は超ヘテロなシステム用の最適アクセラレータに集中しており、演算適応型アプリケーション用に設計された「エクストリームSIMDアーキテクチャ」とチームが呼んでいるものを作り出そうとしている。これは蜜結合アクセラレータと高帯域メモリ(下図のHBM)の追加を含むユニークなメモリ改良を含んでいる。
このアーキテクチャは、分子動力学、N体型シミュレーションやステンシルアプリケーションに取り組むように設計されており、佐藤博士によれば、2018-2020年頃に現れるであろう10nmのシリコン技術を使ったチップ当り10テラフロップスの辺りの高い性能を狙っている。実際に考える際にこのアーキテクチャがぐらつかない間、実際の話ではほとんどの危機は同じパッケージ上のメモリと関連するネットワークの付加機能を備えたオンボード・アクセラレータで扱われるようだ。(とにかく今の時点では)
佐藤博士とチームは、ステンシルアプリケーション用のOpenACCベースのモデルで、DSLや同様にOpenCLオプションで構築できるアプリケーション・フレームワークのような既存のコードをポーティングし易くするような、草葉の陰の角度でのC拡張を介してこのアプローチのための可能なプログラミング・モデルを探っているここには、アクセラレータの本質について何か教えてくれそうなCUDAについての記述がない。
プロセッサの面では、これは再び「京」システムの自然な発展と見做されている。東京大学の石川裕氏によると、チームは、はるかに良い効率を目指し、提案されたものと商品ベースのシステムの両方のために設計されるソフトウェアスタックに会うように、汎用プロセッサ環境で学ぶレッスンを繰り返すだろう。左の明るく黄色の図は、現在彼らのサイクルの中で試験している様々なプロセッサ・アプローチを示している。
アプリケーションとシステムの実現可能性研究チームによるプレゼンテーションの中で、システムが「京」と2020年のエクサスケールシステムとの間で解決できそうな、チャレンジと潜在的問題の面における多くの並列を指摘した。2011年にプロダクションに供された「京」コンピュータは現在1,431名を超える利用者がおり、約136のプロジェクトが動いている。日本の国家基盤のサイトの各々は、特定の戦略アプリケーション・エリアに専念している(ドメインの中では排他的にプロジェクトを動かしている訳ではないが)。理研においては、「京」システムは生命科学と医薬設計問題に特に専心している。他のサイトでは、材料科学、気候および地球科学、製造および宇宙物理学に焦点をあてている。システムは2011年にTOP500リストのトップになったことに加えて、開始以来2つの有名なゴードンベル賞に輝いている。
アメリカもこのプロジェクトのソフトウェア側でのパートナーであることを忘れないでほしい。川口氏のスライドでハイライトとして、このパートナーシップは次のシステム開発段階においても継続するそうだ。チームは「システムソフトウェアにおける国際協力が考慮されている」と述べている。
直ぐに詳細を指摘したいとは思わないが、我々が保証できるようになったら直ぐに、この話題に関するインサイトをさらに提供する予定だ。下記のURLでプレゼンテーションが掲載されているメインサイトで、エクサスケール(ビッグデータに関するトークは多くは記述されていない)に関わる他のプレゼンテーションを見ることができる。
http://www.exascale.org/bdec/documents/fukuoka-japan
早期にインサイトを提供してくれたJack Dongarra博士に感謝する。フォローアップは間もなく・・・