世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


5月 15, 2015

何故TACCの新データ”Wrangler”は大物なのか?

HPCwire Japan

Tiffany Trader

「エクサスケール関連」スーパーコンピュータの将来の成果に関する多くのアクティビティがあるが、HPCの風景もまたデータ指向にシフトしつつある。おそらくWrangler以上にこの移行を反映しているものはないだろう、先月早々にテキサス・アドバンスド・コンピューティング・センター(TACC)に登場したDELLおよびEMCのI/Oに最適化されたオープン・サイエンス・システムだ。

2015 HPC User Forumでのプレゼンテーションの中で、TACCのエクゼクティブ・ディレクターであるDan Stanzioneは、Wranglerのユニークなアーキテクチャの背後にあるドライバーを公表し、新規ユーザと新規利用事例に対応するために、さらに大型のStampedeスーパーコンピュータを含むTACCの他のリソースとどのようにつながるのかを述べた。

「Wranglerは、もちろんひとつの問題だけでなく、多少関連する膨大な数の問題である”ビッグデータ”アプリケーション用にどのようにクラスタを構築するのか考えなおしたものです。」とStanzioneは説明する。「我々全員が知っているように、HPCとビッグデータには共通する多くのものがあり、多くの問題を解決することができますが、そのひとつひとつを行うことはできません。ですので、我々はハードウェアの能力で何がギャップかについて考えたのです。」

Stanzioneは、Wranglerの本当に興味深い所はフラッシュ・ストレージ技術であると言っている。DSSD(昨年EMCに買収された)の革新技術であるWranglerのラック・スケールなフラッシュ・ストレージ層は、1TB/sの帯域幅と250M IOPSを提供する予定で進んでいる – これはTACCのフラグシップマシンであるStampedeスーパーコンピュータの6倍の速さだ。これはSSDではないが、おおよそ10万個におよぶNANDフラッシュ・ダイの大きな配列だ。

Wranglerの資金は全米科学財団(NSF)からの助成金で提供されており、マシンは現在早期運用モードにあり、6プロジェクトが利用している。毎週いくつかが追加されており、Stanzioneはまもなくフル運用状態に入ると予測している。他のパートナーには、インディアナ大学Pervasive技術研究所およびシカゴ大学が含まれている。

<Wranglerのユーザと利用事例およびディスクおよびSSDに対するDSSD技術による性能増加にに関する25分間のプレゼンテーション>